本日のNY為替市場のドル円は、米中貿易関連に関する報道に警戒しながら、複数の米連邦準備理事会(FRB)高官の発言を見極めていくことになる。
先週は、中国がレアアース(希土類)輸出規制を強化し、トランプ米大統領が100%の対中追加関税とソフトウエア輸出規制を発表したことで、米中報復合戦第2幕への警戒感が高まっていた。
しかし、トランプ米政権が中国との対話に臨む姿勢を示したことで、TACO(Trump Always Chicken Out=トランプはいつも尻込みして退く)となる可能性が高まりつつあるため、関連報道に注目していきたい。本日から米上院が再開されることで、米政府機関への対応にも要注目となる。
また、本日は、次期FRB議長候補の5名に残っているボウマン米連邦準備理事会(FRB)副議長とウォラーFRB理事の発言機会が予定されており、パウエルFRB議長の講演とあわせて、年内の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げへの言及に注目しておきたい。
ウォラーFRB理事は先日、「ここ数カ月の雇用の伸びは恐らくマイナスだ。労働市場は弱く、それこそが政策を判断する上で最も重要な部分だ。われわれが把握すべき点はそこある」と述べていた。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」での利下げ時期は、10月FOMC(▲0.25%=3.75-4.00%)、12月FOMC(▲0.25%=3.50-3.75%)、来年1月FOMC(▲0.25%=3.25-3.500%)と見込まれている。
日経平均株価とドル円は、高市自民党新総裁の誕生を受けて、6日に窓を空けて上昇していたが、窓が埋められた場合、高値反転を示唆する「アイランド・リバーサル」が出現する可能性に警戒しておきたい。窓埋めは、日経平均株価の場合は3日の高値45778円、ドル円の場合は3日の高値147.82円を割り込んだ局面となる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、153.27円(10/10高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、151.17円(10/10安値)
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
