25日の日経平均は3日続伸。終値は124円高の45754円。米国株安を受けて小安く始まり、序盤はプラス圏とマイナス圏を行き来した。下げ幅を3桁に広げても45500円近辺では買いが入っており、下値は堅かった。10時台半ば以降はプラス圏で推移する時間が長かったが、上げ幅を3桁に広げると上値が重くなった。後場にもマイナス圏に沈む場面があるなど方向感は定まらなかったものの、14時以降の動きが良く、3桁の上昇で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で5兆7600億円。業種別では非鉄金属、石油・石炭、電気・ガスなどが上昇した一方、精密機器、その他製品、鉄鋼などが下落した。本日プライムに新規上場したオリオンビールが、前場は買いが殺到して値がつかず、後場に公開価格比2.2倍となる初値をつけた。終値も初値を上回っており、注目を集める中で商いも膨らんだ。半面、有価証券報告書を延長承認後の期限までに提出できない見込みになったと発表した河西工業が後場に入って急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1030/値下がり513。ソフトバンクGが全市場の売買代金トップとなって3%を超える上昇。サンリオ、ソニーG、ディスコ、東電HDなどに強い動きが見られた。住友鉱山、三菱マテリアル、JX金属など非鉄株が軒並み大幅高。上期の見通しを引き上げたハピネットがストップ高となった。
一方、アドバンテストが2%を超える下落。三菱重工、川崎重工、IHIの防衛大手3社がそろって売りに押された。任天堂、スクエニHD、コナミGなどゲーム株の一角が軟調。証券会社が投資判断を引き下げた朝日インテックが大幅に下落した。
プライムに新規上場したオリオンビールは上述の通り高い初値をつけて、終値も初値を上回った。グロース市場に新規上場したGMOコマースは、高い初値をつけたものの、終値は初値を大きく下回った。
日経平均は3日続伸。円安進行に対して自動車株がそれほど強い反応を示したわけではなかったが、そもそも米国株の下落をそれほど警戒しておらず、プライムの値上がり銘柄数は1000を超えた。今の日本株には多少のネガティブな材料には鈍感となれる強さがある。アドバンテストは終日弱かったが、だからといって半導体株が皆売られるわけではなく、グロース株にも強く買われるものは多かった。
あすは9月の権利付き最終日。週明けの29日に権利落ちで見た目の水準が切り下がる銘柄が多くなると思われるだけに、駆け込み買いが盛り上がるとは限らない。ただ、仮に週明けの指数が下げたとしても9月末の特殊要因と冷静に受け止められるであろうから、その手前で警戒ムードが高まることはないと思われる。先週末の19日に日銀会合の結果を消化して乱高下したが、今週はここまで3営業日連続で3桁の上昇。右肩上がりのトレンドは継続している。流れが良い中、負けなしの4日続伸で週を締めくくることができるかに注目したい。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
