22日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、アジア時間に148円台前半で頭の重さを確認したこともあり、欧米市場でも戻り売りが目立った。米利下げ観測が根強い中で全般ドル売りが進むと、3時前に一時147.66円と日通し安値を付けた。ユーロドルは、欧米の金融政策の方向性の違いに着目したユーロ買い・ドル売りが入りやすい地合いとなり、前週末の高値1.1793ドルを上抜けると1.1804ドルまで値を上げた。
本日の東京時間では、本邦が秋分の日で休場につき市場参加者の減少が見込まれる中、ドル円は株価先物や米長期金利を眺めて方向感を探ることになるか。
足もとの米株高の背景としては、米連邦準備制度理事会(FRB)が今後も緩やかな利下げを行うとの見通しがある。昨日は主要3指数そろって高値を更新しており、利益確定の売りが入りがちなものの上値模索の機運が高まりやすい位置にいる。日経平均も米株高の流れを受けて昨日は終値で史上最高値を更新しており、本日手掛かり材料難のなかで日米の株価先物の動きに注目したい。
先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利下げが決定され、0.50%の大幅利下げについては16日に就任したミラン理事のみと、FRB内部では大幅利下げへの支持が広がっていないことが明らかとなった。昨日は複数のFRB高官の発言機会があり、ミラン理事は大幅利下げを志向するも、ボスティック米アトランタ連銀総裁やムサレム米セントルイス連銀総裁からは追加利下げに慎重な発言が相次ぎ、昨日の米長期金利は上昇した。
CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、10月の0.25%利下げが9割近くに達するほか、12月にさらに0.25%引き下げる確率は7割以上となるなど、年内の段階的な利下げがほぼ織り込まれている状況。こうした中では米長期金利の上昇余地は小さいかもしれないが、手掛かり材料に乏しい中ということもあり、金利が動き出す場面ではドル円相場にも影響を与えやすいと見る。
本邦では、10時から自民党総裁選における候補者共同記者会見が予定されている。既に5名の候補者の所見などが発表されていることや、来月4日の投開票まで時間があることから、材料にはなりにくいかもしれないが気には留めておきたい。
テクニカル面では、前週末より日足一目均衡表・雲の上限(本日は147.88円)を挟んでの往来が続いている。目先的には前週末からの上伸を阻んだ200日移動平均線(本日は148.59円付近)を上抜くか、もしくは18日の下押しの際にサポートとなった雲の下限(同、146.80円)を下抜かないと、明確な方向感は出にくいかもしれない。
(川畑)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
