今週のNY市場はFOMCとパウエルFRB議長発言に注目。先週はダウ平均が433.36%高(+0.95%)と3週ぶりに反発し、S&P500が1.59%高、ナスダック総合が2.03%高とともに2週続伸した。経済指標を受けて労働市場の減速が意識されたことやインフレ高進懸念が和らいだことで9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げがほぼ確実視されたことが支援となった。雇用を巡っては、前週末の米8月雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を下回り労働市場の減速が意識されるなか、先週は米労働省統計局が年次改定で、2025年3月まで1年間の雇用者数を市場予想のほぼ上限となる91.1万人下方修正したことや、新規失業保険申請件数が予想を上回り、2021年10月以来の水準に悪化した。物価を巡っては、8月生産者物価指数(PPI)が予想に反して低下したことや、8月消費者物価指数(CPI)もおおむね予想通りとなった。経済指標を受けて利下げ期待が続き、CMEのフェドウォッチ・ツールの9月FOMCでの0.25%の利下げ確率が96.2%、0.50%(2回分)の利下げ確率も3.8%となった。主要3指数は11日にそろって取引時間中と終値の史上最高値を更新。ナスダック総合は5日連続で取引時間中と終値の史上最高値を更新した。
今週は17日に結果が公表されるFOMCやその後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長記者会見に注目が集まる。FOMCでは0.25%の利下げがほぼ確実視されているほか、0.50%の大幅利下げ期待もあり、結果が注目される。また年内の利下げ見通しを巡りメンバーのFF金利見通し(ドットプロット)やパウエルFRB議長記者会見に注目が集まる。CMEのフェドウォッチ・ツールでは年内3回(0.75%)以上の利下げ確率が77%超に上昇しており、ドットプロットやパウエルFRB議長発言が市場の期待に沿ったものとなれば安心感が広がりそうだ。このほかの経済指標は8月小売売上高、8月鉱工業生産、8月住宅着工件数など。企業決算はゼネラル・ミルズ、ダーデン・レストランツ、レナー、フェデックスなどが発表予定。
今晩の米経済指標・イベントは9月NY連銀製造業業況指数など。主要な企業の決算発表はなし。(執筆:9月15日、14:00)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
