本日のNY為替市場のドル円は、前週土曜より米連邦公開市場委員会(FOMC)のブラックアウト期間に入っており米金融当局者からの発言は期待できない中、日米欧の材料を確認しつつ方向感を模索することになるか。
まず米国について、前週5日の弱い8月米雇用統計を受け、CMEのフェドウォッチ・ツールでは9月FOMCでの0.50%利下げ確率が10%程度織り込まれている(残り90%程度は0.25%利下げ確率)。欧州市場に入り、大幅利下げを意識したドル売りによりドル円は売りが優勢となり、17時過ぎに147.40円台まで下落している。NY市場でもこの流れが続くか、米10年債利回りの動向に注意したい。
また、本邦の政局について、石破首相辞任による政局不安がNY市場でも意識される場合、本日早朝の円売りが蒸し返されるかもしれない。次期自民党総裁についての世論調査で財政拡張的な政策を採ることが予想される高市前経済安全保障担当相の優勢が伝えられる場合も、円売りを誘いそうだ。もっとも、自民総裁選について「10月4日投開票で調整」と報じられており、円売り材料としては一旦収束するかもしれない。
さて、フランスでは、執筆時点では時刻未定ながら内閣信任投票が行われる見通し。事前予想では否決される可能性が高まっている。信任されるためには左派の要求を受け入れて予算案を修正するしかない状況であり、信任・不信任どちらであっても政局不安は続くことが予想される。ユーロ相場の反応に注目したい。
テクニカル面では、本日のドル円は前週末終値から大きく上昇して始まるも、148.83円付近に位置する200日移動平均線を前に失速している。147.60円台には日足・一目均衡表の基準線147.68円のほか、雲の上限147.60円があり、本日は同水準での攻防が注目される。特に雲の上限は明後日以降せりあがる見通しとなっており、サポートとしての機能を保ち続けられるようならば200日線上抜けを再び試す展開もあり得る反面、割り込むようならば5日安値146.82円を目指して下値を試す展開もあるだろう。
そのほか、トランプ米大統領をはじめとする米政府要人の発言や、高値圏での推移が続いている米株主要3指数の動向にも、引き続き注目したい。
想定レンジ上限
・ドル円は、現時点での本日高値148.58円
・ユーロドルは、7月24日高値1.1789ドル
想定レンジ下限
・ドル円は、5日安値146.82円
・ユーロドルは、日足・一目均衡表の転換線1.1667ドル
(川畑)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
