昨日の海外市場でドル円は大きな方向感はでず、147円前半を中心にもみ合った。ユーロドルは欧州の取引時間帯に一時1.1736ドルまで上昇したが、1時過ぎには1.1697ドル付近まで下押しした。米市場がレーバーデーの祝日に伴う休場のため、総じて売買は低調だった。
本日の東京時間でのドル円は、日米要人の発言に左右される相場展開になりそうだ。昨日は米国がレーバーデーでドル円は147円を挟んで方向感なく上下したが、本日は米国勢にとっては9月最初の取引日であり、市場が再び活発に動くと予想される。
本日まず注目されるのは、道東地域金融経済懇談会で日本時間10時30分から始まる氷見野日銀副総裁の挨拶。通常であれば、同時刻に挨拶内容の全文が日銀のホームページに掲載される。先月ジャクソンホール会合では植田日銀総裁がタカ派的な発言をしており、それに追随するかがポイントだろう。内容次第で今月の日銀会合への利上げ期待が高まり、円買いに繋がる可能性がある。
一方米国からは、突発的に出てくるトランプ米大統領の発言には気をつけたい。特に昨日まで中国・天津で上海協力機構(SCO)首脳会議が行われていたため、中国・ロシアやインド、並びにSCOに参加した各国に圧力をかけるかが焦点。
SCOで習近平国家主席は冷戦的思考には反対と述べ、米国の名前こそ出さなかったが、世界的秩序を乱す行為を批判した。また、SCO開発銀行の早期設立を要請し、人民元経済の拡大を企てるとともに、新興国の脱米国・脱米ドルを促している。米国から制裁を受けているロシアや、50%という高額な関税額が賦課されたインドもSCOに積極的に協力する姿勢だ。トランプ大統領の「高関税賦課で脅せば従う」というシナリオを完全に狂わせた。
G7は8億人に満たない経済圏だが、中印露の3カ国だけで30億人弱の巨大経済圏を形成している。今後のG7経済規模は縮小し、SCO加盟国がG7を上回るのは時間の問題か。米国ファーストで覇権を握ろうとしたトランプ大統領の目論見は、明らかに失敗している。今後は高関税を再び課すのか、懐柔策に転じるのかで市場は大きく反応しそうだ
なお、市場の反応は限定的だろうが、自民党両院議員総会の行方にも注目される。森山幹事長が辞意を表明する可能性が高まっているが、森山氏が辞任した場合は他の党四役も同調する公算が大きい。石破首相の進退判断や総裁選前倒しの有無も注目点だ。
(松井)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
