本日のニューヨーク為替市場でドル相場は、まず7月米消費者物価指数(CPI)の結果を受けた米金利動向を見定めながらの値動きとなりそうだ。なおNY午前には、米リッチモンドとカンザスシティの連銀総裁が講演予定。
7月CPIに対する市場予想は、ヘッドライン(総合)は前月比が+0.2%と前回から若干の鈍化だが、前年比は前回から0.1ポイント加速した+2.8%が見込まれている。コアは前月比・前年比とも前回から0.1ポイント上振れし、それぞれ+0.3%と+3.0%が予想の中心値だ。
CPI(前年比)が加速すると見られている要因の1つは、関税の影響で輸入品や耐久財の価格が上がり、それがサービス価格(外食や物流など)にも跳ね返り始めたことのようだ。価格上昇がモノからサービスに波及したとなれば、インフレが短期的なものではなく、「しつこさ」が警戒されてくるだろう。そうなると、7月米雇用統計の発表後に急速に進んだ「早期の米利下げ観測」も、後退することになるかもしれない。
なお米WSJのFEDウォッチャーであるティミラオス記者が、米連邦準備理事会(FRB)次期議長候補の1人とされているサマーリン氏のインフレに対する見解を紹介している。それによれば同氏は、「現時点においてインフレは深刻な問題ではない」との考えを示した。その理由として、「関税は実質的な課税強化であり、それにより可処分所得が抑制され、需要面からインフレを抑える効果あるから」としている。
いずれにせよドル円は、米・中長期金利の方向性に素直に付いて行く展開となるだろう。ただ欧州前半までの地合いを見る限り、インフレの底堅さを確認できるようだと、上値余地を試す場面はありそうだ。
想定レンジ上限
・ドル円、日足一目均衡表・転換線148.77円を超えると200日移動平均線149.39円
想定レンジ下限
・ドル円、本日安値148.05円を割り込むと11日安値147.35円。
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
