31日の日経平均は5日ぶり大幅反発。終値は415円高の41069円。FOMCを消化した米国株は3指数がまちまちとなったが、ナスダック高や円安進行を好感して上昇スタート。引け後に決算を発表したマイクロソフトやメタが時間外で大きく上昇したことも支援材料となった。寄り付き直後には瞬間的に下げに転じたものの、すぐに切り返して上げ幅を3桁に拡大。電線株や半導体株など主力銘柄に強い買いが入って水準を切り上げる動きが続き、前場のうちに節目の41000円を上回った。
昼休みには日銀が金融政策の現状維持を発表したが、織り込みも進んでいたことからマーケットの反応は限定的。波乱なしとの見方から、後場に入ってもじわじわと上値を伸ばした。終盤にかけての動きが良く、400円を超える上昇となって高値圏で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で5兆3800億円。業種別では非鉄金属、保険、ガラス・土石などが上昇した一方、金属製品、輸送用機器、鉄鋼などが下落した。1Qの営業赤字が前年同期比で縮小したヤマトホールディングスが急騰。半面、1Qが大幅な最終減益となったワコムが急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1271/値下がり305。フジクラ、古河電工、住友電工の電線大手3社が連日の大幅上昇。住友電工は自身の決算も買い材料となった。ディスコが全市場の売買代金トップとなる大商いで7%を超える上昇。ソフトバンクGやサンリオなどグロース系の銘柄が強く、下方修正発表後に売りが続いていたさくらネットが商いを伴って急伸した。新中計を発表したライフドリンクのほか、決算が好感されたノジマやアステラス製薬が値を飛ばした。
一方、武田や富士通が決算を受けて下落。カプコンは1Qの91%営業増益が好感されず、9%を超える下落となった。JCRファーマ、三和HD、大和工業、アンリツが2桁の下落率となるなど、好地合いの中でも決算失望銘柄はたたき売られた。円安進行を受けてもトヨタ、ホンダ、マツダなど自動車株の多くが下落。民事再生手続きの申し立てを行うことを発表し、上場廃止および整理銘柄の指定が決まったオルツがストップ安(55.6%安)となった。
日経平均は大幅上昇。FOMCや日銀会合に特段のサプライズがあったわけではなかったが、中銀イベント前の買い手控えムードが強かったのか、かなり上に値幅が出た。マイクロソフトやメタの時間外の大幅高を先取りして大きく上昇しているだけに、あす一段高となるハードルは高い。米7月雇用統計の発表前でもあり、手がけづらさもある。引け後に東京エレクトロンが通期の業績および配当の見通しを下方修正しており、指数にはネガティブな影響が想定される。
一方、きょう41000円台まで戻してきたことは底打ち期待を高める。反動安に見舞われた場合、押し目での買い意欲が強いかどうかを注視しておきたい。米雇用統計に関しては、7月FOMCで早期の利下げ期待が高まらなかっただけに、市場予想を下回る結果となった場合の米国株へのポジティブインパクトが大きいと考えられる。国内では来週も引き続き決算発表が多い。きょうの上げ分(415円)を打ち消すほどの下げとならなければ、売り急ぎは抑制される公算が大きい。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
