本日のNY為替市場のドル円は、トランプ関税を受けた米6月小売売上高や米新規失業保険申請件数を見極めることになる。
ドル円のテクニカル分析では、攻防の分岐点である200日移動平均線149.71円の手前で、「孕み線」「トップ・リバーサル・デー」という高値反落のパターンが出現しており、本日の足型に注目しておきたい。
昨日のニューヨーク市場では、恒例となりつつある解任報道が飛び交ったパウエルFRB議長は、前回のFOMCの後の記者会見で、インフレが夏にかけて上昇するとの見通しを示して、「この夏、6月の数字と7月の数字によって状況が分かり始めるだろう」として利下げを急がない姿勢を維持していた。
6月の消費者物価指数(CPI)は前年比+2.7%(5月+2.4%)、コア指数は同+2.9%(5月+2.8%)から伸び率が加速しており、関税引き上げに伴う価格転嫁の影響が顕在化しはじめたことを示していた。
しかし、6月米卸売物価指数(PPI)は前年比+2.3%(5月+2.7%)と伸び率が鈍化しており、サプライチェーン(供給網)の川上でのトランプ関税の影響は潜在化したままだった。
本日発表される6月米小売売上高は、前月比+0.1%、自動車を除く前月比+0.3%と予想されており、川上と川下での影響がまちまちだったことで、小売り段階でのトランプ関税の影響を見極めることになる。
また、7月の雇用統計の調査対象週(7/12)の米新規失業保険申請件数(予想:23.5万件)でも、トランプ関税による雇用情勢への影響を見極めることになる。
20日の参議院選挙の投開票を控えて、石破首相は、18日に大阪万博の米国の「ナショナルデー」に参加するために来日するベッセント米財務長官と面会する予定、と報じられている。
しかし、トランプ米大統領は「日本に関しては恐らく書簡の内容通りになるだろう」と述べて、25%の上乗せ関税が8月1日に発動されるとの認識を示しており、起死回生の日米通商合意の可能性は限りなく低い。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、149.18円(7/16高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、146.71円(日足一目均衡表・転換線)
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
