本日のロンドン為替市場では、ユーロドルはイラン情勢に神経質な展開が予想される。昨日は一部報道を受け、地政学リスクへの警戒感が和らぐとの見方から有事のドル買いが一服した。ただその後「イランは米CIAに協議の提案を行っていない」との報道に反応して下押しする場面も見られるなど、イラン関連の報道に振り回された。
昨日トランプ米大統領は「米軍がイランで非常に優勢な態勢にある」との見方を示した。イラン情勢が早期終結に向かうとの期待が高まれば、有事のドル買いを巻き戻す動きが一段と強まってユーロドルを押し上げることも想定される。
もっとも、先月28日にイスラエルと米国がイランに空爆作戦を開始後、イランは周辺諸国への攻撃を加えるなど、中東の状況が混迷を極める中で昨日、イランはトルコに対しミサイルを発射した。トルコはNATO加盟国であるが、今のところNATOに支援を求める姿勢は示していない。仮に支援を求めてNATOが集団的自衛権の発動を迫られる場面では、中東情勢の一段の混迷を嫌気して有事のドル買いが再開する恐れもある。
しばらくの間は、イラン関連報道に神経質な展開を強いられることとなりそうだ。あわせて、今月に入り急騰している原油や天然ガスなどのエネルギー相場の動向にも注意を払いたい。
主な経済指標は、1月仏鉱工業生産や1月ユーロ圏小売売上高などが発表予定。しかしながら、市場の関心が米・イスラエルとイランの軍事衝突に集まる中、結果に対する反応は限定的かもしれない。また、デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁やレーン・フィンランド中銀総裁の発言機会が予定されている。足もとのエネルギー価格の高騰に対しどのような見解を示すか気になるところ。
なお、NY時間序盤に2月チャレンジャー人員削減数や新規失業保険申請件数など雇用関連指標の発表が相次ぐ。明日の2月米雇用統計を前にこれらの結果を見極めたいとのムードが強まるようだと、相場にこう着感が漂うこともあり得る。
他方、スウェーデンで2月消費者物価指数(CPI)が発表予定。市場予想は前年比が+0.5%と前回並みが見込まれるものの、コア・前年比は+1.8%と前回の+2.0%を下回る見通し。もっとも、スウェーデン中銀は1月の金融政策発表の際の声明で「政策金利は12月の予測通り、当面この水準(現在の1.75%)で推移すると見込まれる」述べている。よほど市場予想からかい離しないかぎり19日の金融政策発表における市場の金利据え置き見通しに影響を及ぼさないだろう。念のため結果を確認しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:3日高値1.1707ドル
・スウェーデン・クローナ(SEK)円:日足・一目均衡表の基準線17.24円
想定レンジ下限
・ユーロドル:3日安値1.1530ドル
・スウェーデン・クローナ(SEK)円:90日移動平均線16.90円
(川畑)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
