15日の日経平均は4日ぶり反発。終値は218円高の39678円。米国株高を受けて小高く始まった後は、しばらくプラス圏とマイナス圏を行き来した。方向感が定まらないまま、小幅なプラスで前場を終了。一方、半導体株の動きが良くなってきたことから、後場に入って13時を過ぎた辺りからはじわじわと上げ幅を広げていった。終盤にかけても買いの勢いは緩まず、200円を超える上昇となって高値引け。プライムでは値下がり銘柄の方が多く、TOPIXは小幅なプラスにとどまった。新興グロース株は敬遠されており、グロース250指数は2%を超える下落で安値引けとなった。
東証プライムの売買代金は概算で4兆1200億円。業種別では非鉄金属、保険、電気機器などが上昇した一方、卸売、不動産、パルプ・紙などが下落した。今期の大幅増益見通しや自己株取得の発表などが好感されたGunosyがストップ高。半面、1Qの業績速報値が大幅な減収減益となった極東証券が、後場に入って大きく値を崩した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり626/値下がり932と、日経平均は上昇したが値下がり銘柄は多かった。古河電工、住友電工、フジクラの電線大手3社がそろって大幅上昇。ディスコ、東京エレクトロン、レーザーテックなど、半導体株の多くに強い買いが入った。国内長期金利の上昇を手がかりに、第一生命や東京海上など保険株が堅調。1Q決算と併せて株式分割や優待拡充を発表したクリレスHDが急騰し、1Qが大幅増益となったPR TIMESがストップ高比例配分となった。
一方、良品計画が商いを伴って3%を超える下落。三菱重工や川崎重工など防衛株が売りに押された。国内の長期金利上昇を嫌気して三井不動産や三菱地所など不動産株が軒並み安。1Q減益着地のIDOMが急落した。グロース市場では、QPS研究所やデータセクションなど人気どころの銘柄が大幅安。決算を材料にELEMENTSが21%安と派手に下げた。
日経平均は4日ぶり反発。前場は荒い動きが続いたが、後場に入るとプラス圏が定着して上げ幅を広げた。序盤では全体の上値を抑えていた半導体株が、終わってみれば日経平均の上昇に大きく貢献した。
本日の米国では6月の消費者物価指数(CPI)が発表される。トランプ関税が米国のインフレを長期化させるとの見方もあるだけに、CPIが強く米長期金利が大きく上昇してしまうとグロース株には逆風となる。一方、CPIが弱く米長期金利が低下するなら、グロース株には追い風となる。
金利が上昇することで買われる銘柄もあるが、今の日本株が半導体株の影響を受けやすくなっていることを鑑みると、米金利は低下する方が好ましい。また、あすは欧州でASMLホールディング、木曜17日は台湾でTSMCが決算発表を予定している。この先、グローバルで半導体株の動きが良くなるかどうかが注目される。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
