
東証プライムの売買代金は概算で5兆6100億円。業種別では電気・ガス、情報・通信、鉱業などが上昇した一方、輸送用機器、非鉄金属、電気機器などが下落した。上方修正や増配を発表した暁飯島工業が急騰。半面、1Qが大幅な営業赤字となった三陽商会が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり893/値下がり654。証券会社のリポートを手がかりにソフトバンクGが大幅上昇。任天堂、バンナムHD、MIXIなどゲーム株の動きが良かった。メタプラネットやリミックスポイントなど、先週は調整売りに押された暗号資産関連が急伸。ペロブスカイト型太陽電池に関する日経記事を材料に、伊勢化学や積水化学に資金が向かった。高島屋は通期の営業利益見通しを下方修正したが、自己株取得・消却の発表が好感されて4%近い上昇となった。
一方、トランプ大統領が日本の自動車貿易に対して不満を漏らしたことが伝わったことから、トヨタ、ホンダ、マツダなど自動車株が軒並み安。IHIや川崎重工など防衛株は、高く始まったものの買いが続かずマイナス圏に沈んだ。サンリオも買い先行から崩れて3%を超える下落。証券会社が目標株価を引き下げたハーモニックが大幅に下落した。
本日、グロース市場に新規上場したリップスは、初値が公開価格を小幅に上回った。スタンダード市場に新規上場したレントは、公開価格を大幅に上回る初値をつけた。そして、両銘柄とも終値は初値を下回った。
日経平均は5日続伸。後場の失速をどう捉えるかだが、安値は40322円、終値は40487円で、安値引けのような形にはなっていない。300円を超える上昇で40500円に近い水準で終えており、好地合いの中でいったん過熱感を削いだ動きのように見える。仮に大型株が調整したとしても、先週休養を入れた新興銘柄が資金の受け皿となり得るだけに、全体としての強い基調は継続する公算が大きい。
あすから7月相場に入り、寄り前には6月の日銀短観が発表される。月替わりは振れ幅が大きくなることもあるだけに、落ち着いた行動を心がけたい。一気に水準を切り上げた分、5日線(39591円、30日時点)は大きく上回っている。直近の急伸に対する反動売りが出てきたとしても、4万円を下回る場面が到来するようなら、そこは押し目買いの好機と捉えたい。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ