
米中の交渉進展への期待はトランプ大統領が現地22日、中国に課した合計145%の関税が結局「大幅に下がっていく」と述べたことがきっかけだったが、首脳会談にこだわるトランプ氏から習近平中国国家主席とのやり取りに関して「現時点で報告できることはない」との発言が聞かれており、実質的な進展はないもよう。中国外務省の反応もいまのところ「アメリカが一方で極端な圧力をかけながら、同時に合意を望んでいると言うことはできない」「これは中国に対する正しい対応の仕方ではなく、実現可能でもない」「アメリカは平等と互恵の原則に基づいて中国と対話を行うべきだ」とかたくななまま。一時的な楽観は長続きしないと考える市場参加者が多いだろう。
これまで急速に進んだ「関税ショック」により傷んだ分の巻き戻しが相応に大きくなったことや、大きめ巻き戻しに再度揺り戻しのドル戻り売りが入るような格好で荒っぽく振れている状態。不透明感が拭いきれず売買が手控えられる感もあり取引が薄いなか、直前の動きへ急な巻き戻しが入る方向性の見定めにくい上下となるリスクを想定して臨みたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、本日早朝高値143.22円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、昨日NYタイム押し目140.64円
(関口)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ