
東証プライムの売買代金は概算で3兆0800億円。業種別ではパルプ・紙、陸運、水産・農林などが上昇した一方、輸送用機器、石油・石炭、非鉄金属などが下落した。中期経営計画の骨子を発表した王子ホールディングスが後場急伸。半面、スクウェア・エニックス、バンダイナムコ、ディー・エヌ・エーなど、ゲーム株に大きく売られる銘柄が多かった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり653/値下がり937。円高進行を手がかりに、ニトリHDやセリアなど内需小売の一角が大幅上昇。東京メトロ、JR東日本、京急など鉄道株に資金が向かった。一部製品の値上げを発表したメニコンが急騰した。
半面、円高進行を嫌って、トヨタ、マツダ、SUBARUなど自動車株が軒並み大幅安。本日が売り出しの受渡日であったスズキは商いを伴って4%近い下落となった。ほか主力どころではフジクラ、IHI、ソフトバンクGなどが弱かった。住友ファーマが11.4%安と急落したほか、サンバイオやセルシードが大幅安となるなど、先週強く買われた医薬・バイオ関連が利益確定売りに押された。
日経平均は450円安。円高に対する警戒が強まったことで、値幅を伴った下げとなった。プライムの値上がり・値下がりを見ると値上がりは結構多いが、売買代金上位銘柄の多くが下落しており、日本株の手がけづらさが強く意識された。あすも為替には神経質な反応を示すことになると思われる。決算発表前半戦はファナック、富士通、キヤノン、ニデックなど外需企業が多いだけに、急速な円高は厄介な材料。きょうのドル円は午前中に円高が進み、午後に入ると動きが落ち着いた。ひとまず円高には一服感が出てきてほしい局面だ。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ