
昨日は欧州株が大幅安で終えたにもかかわらず、ユーロは対ドルや対円で大きく上昇した。フォンデアライエン欧州委員長が8000億ユーロ規模の欧州再軍備を提案し、メルツ次期独首相も防衛費増額について言及。ロシアに対する強硬姿勢が継続され、ウクライナを守る方針も鮮明となったことが結果的にユーロ買いの安心感に繋がったようだ。
本日は欧州委員長が述べた大規模な再軍備計画について、より具体的な内容が出てくるかに注目か。昨日のメルツ氏の発言などからも、欧州の主要国は今回の軍事支出に積極的だろう。懸念されるのは、ハンガリー(EUやNATO加盟国)のようなウクライナ支援に反対している国の反応。もし、フォンデアライエン氏の提案に消極姿勢が複数の国から出た場合、再軍備で欧州に綻びが見えたとされてユーロの上値が追いづらくなるかもしれない。
経済指標については、2月サービス部門PMIは改定値だが通常より気にしておきたい。先月発表された速報値は予想に届かず弱い結果だった。しかしながら、3日の製造業PMI改定値に上方修正が目立ったことから、サービス部門も上振れを期待する声が出てきたからだ。ほか、1月ユーロ圏PPIは前年比1.4%と前回±0.0%だったところから加速予想。こちらの上昇幅も確認する必要があるだろう。
想定レンジ上限
・ユーロドル、200日移動平均線1.0722ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、ピボット・サポート1の1.0522ドル
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ