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【市場概況】東京為替見通し=ドル円、米10年債利回り低下で下値を探る展開か

26日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが上昇に転じた局面では149.89円まで上昇したものの、米国株相場の失速とともに米10年債利回りが4.2429%前後まで低下したことで、148.81円付近まで下押しした。ユーロドルは米長期金利の低下やロンドン・フィキシングに絡んだドル売りで1.0529ドルまで上昇した後、トランプ米大統領の対EU関税を巡る発言で1.0479ドル付近まで押し戻された。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、米10年債利回りが低下基調にあることで下値を探る展開が予想される。

 トランプ関税に関しては、メキシコとカナダに対する関税発動が3月4日からを4月2日に再延期され、「EUに対して自動車や他のモノに25%の関税を課すが、詳細は追って通知する」とのことで、本日も突発的な発言には警戒しておきたい。

 昨日の米10年債利回りは、東京時間には、米下院でトランプ大統領の看板政策である4.5兆ドル規模の大型減税や債務上限の4兆ドルの引き上げなどを含んだ予算決議案が可決されたことで、4.33%台まで上昇し、ドル円も149円台後半まで上昇した。しかし、海外市場では、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ懸念よりも、景気鈍化懸念に軸足を置いて追加利下げを継続するのではないか、との見方から4.24%台まで低下し、ドルの上値を抑えている。

 シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している0.25%の追加利下げ時期は、6月FOMC(-0.25%=4.00-25%)に前倒しされており、9月FOMCでも追加利下げ(-0.25%=3.75-4.00%)が見込まれており、12月FOMCでの追加利下げ(-0.25%=3.50-75%)の確率も徐々に上昇しつつある。

 今週の注目ポイントである明日発表の米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの1月分は、前年比+2.5%と予想されており、12月の同比+2.6%からの伸び率鈍化が見込まれており、予想通りならば、今年の利下げ回数が3回になる可能性を高めることになる。

 一方で、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示唆する日銀の0.75%への追加利上げ時期は、5月の日銀金融政策決定会合となっている。
 1月の日本の物価指数(※前年比)は、以下の通りインフレ目標2%を超えている。
・総合CPI(+4.0%)、コアCPI(+3.2%)、企業向けサービス価格指数(+3.1%)、企業物価指数(+4.2%)、輸入物価指数(+2.3%)
※基調的なインフレ率を捕捉するための指標:刈り込み平均値(+2.2%)、加重中央値(+1.4%)、最頻値(+1.3%)

 2月21日に長期金利の上昇に歯止めをかけた植田日銀総裁は、「総合指数は4%に乗せたが、基調的な物価上昇率はまだ2%を少し下回っている。基調的な物価の上昇が続くことになれば、引き続き金融緩和度合いの調整を続けていきたい」と述べており、「刈り込み平均値」の前年比+2.2%への上昇は、日銀の追加利上げ観測を高めている。

(山下)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ