15日の日経平均は4日ぶり反発。終値は107円高の38642円。
今週は為替市場で円安・ドル高が進んだが、日本株はこれを好感できなかった。米国で発表された10月の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)はどちらも市場予想並みで、米10年債利回りは高止まりしている。パウエルFRB議長からは利下げを急ぐ必要がない旨の発言が出てきており、米国要因からは為替はドル高に振れやすい。
一方、ドル円が160円に近付いてくると、日本では為替介入に対する警戒が浮上してくる。米国株の動きが悪くなった場合、トランプ氏からドル高をけん制する発言が出てくる可能性もある。介入ではなく日銀が利上げで円安を止めるとの見方が支配的になってくると、金融株以外の日本株は上がりづらくなる。自然な流れでいったん円安にブレーキがかかるくらいが理想的だが、そうならずドル円の振れ幅が大きくなってしまうと、円安でも円高でも日本株には逆風となりかねない。為替動向には注意を払っておきたい。
【来週の見通し】
不安定な展開か。国内の7-9月期決算発表が一巡して材料難となる中、米国では水曜20日にエヌビディアが決算発表を予定している。週前半はこの内容を見極めたい状況下で半導体株が手がけづらく、全体も様子見姿勢が強まるだろう。エヌビディアの決算反応が良ければ投資家心理が強気に傾くことが期待できる一方、反応が悪ければリスクオフとなる可能性もある。また、反応が良かった場合でも、米国の長期金利が高止まりしているだけに、半導体株だけが人気化して他の銘柄からは資金が抜けるといったこともあり得る。半導体株の動向をにらみながら強弱感が交錯し続け、週を通して方向感が定まらないと予想する。
【今週を振り返る】
軟調となった。週明け11日の日経平均はプラス圏とマイナス圏を行き来して小幅な上昇。12日は前場は3桁の上昇であったが、後場に先物主導で崩れて3桁の下落となった。13日はソフトバンクGなど決算を発表した主力株の動きが弱く、600円を超える下落。前の週は米大統領選を材料にリスク選好ムードが高まったが、今週に入ってからはトランプ新政権の負の側面も意識され始めた。14日は高く始まったものの、買いが続かずマイナス圏に沈んで安値引け。15日は序盤で500円超上昇したが、買い一巡後は値を消して、3桁上昇ながら連日の安値引けとなった。日経平均は週間では約857円の下落となり、週足では3週ぶりに陰線を形成した。
【来週の予定】
国内では、9月機械受注(11/18)、10月貿易統計、10月首都圏新規マンション販売、10月訪日外客数(11/20)、20年国債入札(11/21)、10月全国消費者物価指数(CPI)(11/22)などがある。
企業決算では、東京海上、SOMPOHD、MS&AD(11/19)などが発表を予定している。米企業決算では、ウォルマート、メドトロニック、ロウズ・カンパニーズ、ジェイコブス・エンジニアリング・グループ(11/19)、エヌビディア、ターゲット、TJXカンパニー(11/20)、ディア、ロス・ストアーズ、ネットアップ、インチュイット(11/21)などが発表を予定している。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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