3日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、9月米ISM非製造業景況指数が54.9と予想を上回ったことで一時147.18円付近まで値を上げたものの、雇用指数が弱かったことや中東情勢への警戒感から上値は限定的だった。ユーロドルは米ISM非製造業景況指数の上振れをきっかけに一時1.1008ドルまで値を下げた。
本日の東京外国為替市場のドル円は、今夜発表される米9月雇用統計への警戒感から、一目均衡表・雲の下限(146.93円)付近での動きづらい展開が予想される。
ドル円が9月16日に140円を割り込んで139.58円まで下落した要因は、日銀の早期の追加利上げ観測と米連邦公開市場委員会(FOMC)での雇用情勢悪化を受けた0.50%の大幅追加利下げ観測だった。
しかし、日銀の早期利上げ観測に関しては、石破首相と植田日銀総裁の会談での早期利上げに対する慎重姿勢を受けて、27日の衆議院議員選挙後の30-31日の日銀金融政策決定会合での利上げの可能性はほぼなくなったと思われる。
ドル円は、日銀の早期追加利上げ観測の後退により、147円台まで買い戻された。
そして、今夜発表される米9月雇用統計で、11月5日の米大統領選挙の後の6-7日のFOMCでの追加利下げ幅(0.25%か0.50%)を見極めることになる。
米9月雇用統計の予想は、非農業部門雇用者数は+14.0万人で8月の+14.2万人から増加幅が減少、失業率は4.2%で8月と変わらずと見込まれている。
米国の9月の雇用関連指標は、概ね雇用情勢の改善を示していることで、ポジティブサプライズに警戒すべきかもしれない。
非農業部門雇用者数が前月比15万人以上の増加となり、失業率が低下していた場合は、11月FOMCでの利下げ幅が0.25%の可能性が高まることで、ドル円の買い戻し要因となる。
逆に雇用情勢の悪化が示された場合は、0.50%の利下げ確率が高まることで、ドル円は下値リスクが高まることになる。
また、中東の地政学リスクに関しては、イスラエルが「数日内にイランに報復攻撃」と報じられていることで、昨年ハマスが奇襲攻撃を断行した「10月7日」を念頭に警戒しておきたい。
イスラエルがイランの原発関連・石油関連施設などに報復攻撃を加えて全面的な軍事対決に踏み切った場合、最悪のシナリオとして第5次中東戦争の可能性が高まることになる。
そして、米国が支援するウクライナとイスラエル、イランの背後のロシアというかつての冷戦時代の構図から、さらなる地政学リスクの高まりに警戒せざるをえなくなる。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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