5日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、12月米ミシガン大学消費者態度指数・速報値が予想を上回り、米長期金利の上昇とともに155.49円まで値を上げた。ユーロドルは米金利高を背景にしたユーロ売り・ドル買いで1.1628ドルまで下押しした後、1.1640ドル前後での小動きに終始した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、9-10日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測や18-19日の日銀金融政策決定会合での利上げ観測などから上値が重い展開が予想される。
ドル円は、日米の金融政策決定会合への思惑から157円台から154円台まで下落した後、過去26日間の中間水準(※日足一目均衡表・基準線)である155.36円付近で推移しており、日米の金融政策の変更をほぼ織り込んでいる。
今後の方向感は、来年の金融政策決定会合に向けたターミナルレート(政策金利の最終到達水準)次第だろう。FOMCは中立金利水準の3.00%に向けて利下げを継続するのか、日銀は中立金利水準下限の1.00%に向けて利上げを継続するのかが焦点となる。
8時30分発表の10月毎月勤労統計(現金給与総額、予想:前年比+2.2%)では、実質賃金の動向を見極めて、日銀が利上げの目安としている「賃金と物価の緩やかな上昇の継続」を要確認。9月の実質賃金は前年比-1.4%と9ヵ月連続で減少していた。なお植田日銀総裁は、明日FT「The Global Boardroom」に出席し、インフレ、金利、円の価値などについて講演する予定。こちらでも、実質賃金への言及が注目される。
ほか、本日8時50分発表の7-9月期実質国内総生産(GDP)改定値は、前期比-0.5%/前期比年率-2.0%と予想され、速報値(前期比-0.4%、前期比年率-1.8%)からの下方修正が見込まれている。
今後は、中国が高市首相の台湾有事と存立危機事態に関する発言に対して、日本産水産物の輸入停止や日本向け渡航への注意喚起などの制裁措置を発動したことで、日本のマイナス成長が続く可能性が警戒されている。ただし現時点では、金融制裁や資本市場への制限、レアアース(希土類)の禁輸措置、半導体製造装置への規制など日本経済全体に影響を与える強い制裁措置には踏み込んでいない。首相が発言を撤回すれば沈静化する可能性も残されているかもしれない。
一方で中国は今週末12月13日が「南京事件」の追悼日であり、高市政権の出方次第では、対日制裁が強まる可能性もある。日本の景況感悪化懸念から、18-19日の日銀金融政策決定会合に影響を及ぼす懸念には留意しておきたい。日本の2025年の中国からの輸入比率は1位、中国への輸出比率は2位となっており、中国への貿易依存度が大きい。そのため中国の対日制裁が強化された場合、日銀の利上げを先送りさせるリスクに要警戒か。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
