27日の日経平均は大幅続伸。終値は903円高の39829円。米国株高と円安進行を好感して寄り付きから3桁の上昇。9月配当落ちの影響を吸収してプラスで始まったことから寄った後も買いが続き、上げ幅を300円超に広げた。
39300円手前で急速に値を消し、11時近辺では一時マイナス転換。前場は小幅なプラスで終えた。しかし、後場に入ると再び上げ幅を拡大。13時から自民党総裁選の投開票が始まったが、各種報道から石破氏と高市氏が党員票を伸ばしていることが伝わった。マーケットフレンドリーとみられている高市氏が決選投票に残るとの見方が強まったことから、改めてリスク選好ムードが強まった。14時過ぎに高市氏1位、石破氏2位での決戦投票になることが決まり、両候補の演説が始まると、一段と強含む展開。為替市場ではドル円が146円台に乗せるなど円安が進行する中、引けにかけても買いが入り、900円を超える上昇で連日の高値引けとなった。
東証プライムの売買代金は概算で5兆6300億円と商いも高水準となった。業種別では精密機器、機械、化学などが上昇した一方、銀行、石油・石炭、パルプ・紙などが下落した。上方修正と増配を発表したテクノ菱和が後場に急騰してストップ高。半面、小泉進次郎が決選投票に進めなかったことから、かつて同氏の総裁選出馬に伴い人気化したさいか屋が、後場に入って急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり642/値下がり928。米国でマイクロンが決算を受けて急騰したことを手がかりに、レーザーテック、東京エレクトロン、アドバンテストなど半導体株が大幅上昇。政策期待から三菱重工や川崎重工など防衛株が人気化した。ファナック、安川電機、資生堂など、中国関連と目される銘柄群が中国の追加景気支援策を材料に買いを集めた。自己株取得を発表したブシロードが急伸した。
一方、原油価格の下落を嫌気して、INPEX、ENEOS、コスモエネルギーなどが下落。追加利上げに否定的な見方を示していた高市氏が決戦投票に残ったことから、三菱UFJやみずほなど銀行株が弱かった。下方修正を発表したオークワが大幅安。1Qが最終減益となったフィードフォースGが急落した。
引け後に自民党総裁選の結果が判明し、石破茂氏が勝利した。これを受けてドル円が鋭角的に円高に振れており、146円台で推移していたところから一気に142円台に突入している。この動きを見る限り、本日の日経平均の大幅上昇に関しては、高市早苗氏の勝利を織り込んだ動きであった可能性が高い。石破氏は金融所得課税強化について言及しているだけに、これを実行に移す意欲が強いかどうかについては、注意深く見ておく必要がある。また、早期の解散総選挙を行う意向があるかどうかについても、トップに立った後の発言をしっかりチェックしておかなければいけない。マーケットでは、「不人気首相の交代→早期の解散総選挙→支持率回復で株高」のシナリオをイメージしていたと思われる。すぐに解散する意向がなさそうで、かつ、金融所得課税強化について前向きとの印象を与えてしまうと、海外投資家が日本株を敬遠する材料になりかねないため注意を要する。
【来週の見通し】
乱高下か。自民党新総裁が石破茂氏に決まった直後にドル円が円高に振れており、週明けは27日の大幅高に対する反動を警戒する必要がある。10月相場に入り、週末の10月4日には米国の9月雇用統計が発表される。FRBが大幅利下げを決定した直後でもあるだけに、米国の雇用指標が弱ければ「米長期金利低下→ドル安・円高」が意識される。その警戒が強くなった場合、日本株は米雇用統計を前にリスク回避姿勢が強まりやすい。一方で、自民党の新代表が決まったことから、政策に対する期待は高まってくると思われる。足元で半導体株や中国関連銘柄に持ち直しの動きが見られていることや、米国株の動きが良い点は支援材料。今週の反動が出てきたとしても、押し目では買いも入るだろう。政治絡みのニュースと為替をにらみながら荒い動きが続くと予想する。
【今週を振り返る】
大幅高となった。三連休明け24日の日経平均は、外部環境の落ち着きを好感して3桁の上昇。25日は終盤に崩れて下落したが、26日は米マイクロンの好決算を受けて半導体株買いが盛り上がり、円安進行も追い風に1055円高と4桁の上昇となった。自民党総裁選の投開票日である27日はやや荒い動きとなったものの、投開票が始まった後場に強く買われて903円高となり、連日の高値引け。4日立ち合いであったが、週間では2000円を超える大幅上昇となった。日経平均は週間では約2105円の上昇となり、週足では3週連続で陽線を形成した。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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