◆対円は日本の政治情勢、対ドルでは米雇用データ次第
◆ポンド、英政局の先行き不透明感から買いづらさが残る
◆加ドル、中国発のリスクオンムード続くか見極め
予想レンジ
ポンド円 191.00-197.00円
加ドル円 105.50-109.50円
9月30日週の展望
ポンドや加ドルは四半期末・期初に絡んだフローをこなしながら、対円では日本の政治情勢を見極めての取引となりそうだ。対ドルでは、米連邦準備理事会(FRB)の動向に影響を与える米国の雇用データを注視。結果を受けたリスクセンチメントの強弱に振らされることになるだろう。
英国では22-25日、7月に政権を奪還したスターマー首相率いる労働党が党大会を開いた。スターマー内閣は来月、前政権による巨額の財源不足を補うために「増税と歳出削減」を重視した予算案を公表すると言われている。一方、新政権は労組重視の姿勢を鮮明にしており、経営者からは企業への負担増が懸念されているもよう。政治資金スキャンダルも持ち上がったことでスターマー首相の支持率は低下しており、英政局の先行き不透明感からポンドに買いづらさが残る。
ただ、しばらくは英国よりも日本の政局に円相場の目が向かいそうだ。政府は先日、10月1日に臨時国会を召集する方針を示した。招集日の衆参両院本会議で27日に選ばれた自民党新総裁が新首相に指名され、新内閣が発足する見込み。自民党総裁選では、有力候補の1人が円安メリットを強調し、日銀の利上げに強い不信感を示した。方や、日銀の独立性を尊重して金融正常化に理解を示す有力な候補者もいる。円相場は、27日の総裁決定後の流れを週明けも持ち越してもおかしくはない。また、新首相がどのタイミングで解散に踏み切るかもポイントとなる。
なお英経済指標では、4-6月期国内総生産(GDP)や9月製造業/サービス部門の購買担当者景気指数(PMI)が発表されるが改定値だ。そのため材料視されづらいが、速報値では前回から若干低下したものの「2四半期連続のプラスを記録したGDP(前期比)」と、50超えは維持したが速報値では予想比下振れたPMIの結果には目を向けておきたい。
カナダでは主な経済指標は9月Ivey購買部協会指数のみと、通常であれば加ドルの動意は鈍い。しかし、同指数は前回約1年ぶりに50を割り込むほど弱かった。カナダ中銀の緩和ペースを早めるわけではないが、今回もさえなければ加ドルの上値の重さにつながりそうだ。BOCの次回会合は10月23日に予定されているが、その前に9月雇用統計や消費者物価指数(CPI)を確かめることになる。
また、中国当局による景気支援策強化で高まったリスクオンムードが続くかを見定める必要もある。中国は世界最大の石油輸入国であり、同国の経済活動の活発化はエネルギー需要拡大の思惑にもつながりやすい。原油相場の動向は産油国通貨でもある加ドルに影響するだろう。
9月23日週の回顧
ポンド円は前週からの回復基調が継続し、190円前半を底に194円半ばまで上げ幅を拡大した。加ドル円も底堅く、105円半ばを下押し水準に107円後半まで上昇した。リスクオンの流れが円売りを促した。
ポンドドルは約2年半ぶりの高値圏1.34ドル前半まで上昇。加ドルは対ドルで1.35加ドル後半から1.34加ドル前半まで強含んだ。全般強まったドル安の流れに沿い、ポンドは「英中銀利下げ急がず」という見方、加ドルは原油相場の一時反発に後押しされた。(了)
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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