NYタイムでは8月米個人消費支出(PCEデフレーター)の結果に注目。GDPの約7割を占める米国の個人消費支出はGDPの先行指標として注目される。また、個人消費支出のうち、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターは、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視することから、特に注目されている。8月PCEデフレーターは前年比+2.3%と前月から伸びが低下し、2021年序盤以来の低い伸び率が見込まれている。一方で、同コアPCEデフレーターは前年比+2.7%と前月の+2.6%から上昇が予想されている。
米PCEデフレーターの結果次第では、自民党総裁選で乱高下したドル円の神経質な動きが続く可能性がある。ドル円は米PCEデフレーターの結果を受けたドル相場の動きに左右されそうだが、自民党総裁選の余韻が残る円相場の動きにも要注意。自民党総裁選の第1回投票では「アベノミクス」の継承を掲げ、日銀の利上げに否定的な高市氏が1位となったことを受けて円安・株高に大きく振れたが、決選投票で石破氏が新総裁として選出され、円安が巻き戻されただけではなく一段と円高が進み、ドル円は高値の146円半ばから142円後半まで暴落した。下げ一服後は急落した反動の動きもみられているが、上値の重い動きが続いている。週明けの日本株の暴落が見込まれるなか、円高圧力が残されそうだ。石破氏は総裁選前に「日銀の独立性を尊重」としつつ「経済や国民生活に支障が生じない範囲、ペースで正常化されることを期待する」と述べており、日銀の追加利上げに肯定的とみられている。
・想定レンジ上限
ドル円、昨日の安値144.11円や節目の145.00円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、本日これまでの安値142.80円や20日安値141.74円が下値めど。
(金)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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