◆豪ドル、対円では日米金融政策を受けたドル円の動向に振らされる見込み
◆豪ドル、RBAの政策を非難した財務相に同調する声も
◆ZAR、SARBの利下げはポジティブな材料に
予想レンジ
豪ドル円 92.00-97.00円
南ア・ランド円 7.70-8.20円
9月16日週の展望
豪ドルは上値の重い展開となりそうだ。来週は豪州から19日に8月雇用統計の発表が予定されているものの、豪ドル相場への反応は一時的なものにとどまるだろう。市場の注目を集める日米の金融政策公表が控えていることから、基本的にはドル円などの動向に振らされる展開となりそうだ。
来週は17-18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、19-20日に日銀金融政策決定会合が開催される。米国は0.25%の利下げ、日銀は金利据え置きがコンセンサスとなりつつあり、市場の注目は両中銀の金利見通しに集まりそうだ。日米金利差縮小への思惑が高まり、ドル円が下方向への圧力を強めれば、当然ながら豪ドル円も下値リスクが拡大する。今週の時点で8月5日にドル円・クロス円が急落した際の安値90.15円が視野に入っていることもあり、一層の注意が必要となるだろう
。
また、豪準備銀行(RBA)の金融政策を巡って国内から非難の声が挙がっていることも懸念材料として意識しておきたい。チャーマーズ豪財務相は先週、「RBAの計13回に渡る利上げが豪経済を破壊している」と発言し、波紋を呼んだ。この発言は野党や保守派経済学者などから批判されたが、豪州で景気減速が進んでいることから、市場では豪財務相に同調する声も多い。一部の金融機関も「インフレが高止まりする中での景気鈍化は、RBAが利下げを行う理由にはならない」としながらも、利下げ予想時期を前倒ししており、23-24日に予定されている次回のRBA理事会に向けて思惑的な動きが進む可能性もありそうだ。
南アフリカ・ランド(ZAR)は下げ渋る可能性もある。来週は南アフリカから18日に8月消費者物価指数(CPI)や7月小売売上高などが発表され、19日には南アフリカ準備銀行(SARB)が金融政策を公表する予定となっている。
SARBは今回の金融政策決定委員会(MPC)で現行の8.25%から8.00%へと政策金利を引き下げる見込みだが、その前日には米国で同規模の利下げが実施される公算が高く、対米金利差の縮小は避けられるだろう。また、SARBの利下げが同国の景気改善に寄与することから、ZARにとってはポジティブな材料として受け止められそうだ。ZAR円はドル円相場の影響を受けざるを得ないだろうが、対ドルでのZAR買いに支えられて、他のクロス円と比較すると相対的に底堅く推移することが予想される。
9月9日週の回顧
豪ドルは対ドル・対円でともにやや方向感を欠いた動き。週半ばにかけては売りに押され、対円では一時93円台半ばまで下押す場面もあったが、その後は買い戻しが入った。ZARも対円では一時8月7日以来の安値となる7.8円台まで値を下げたものの、売りが一巡するとは8.00円付近まで下値を切り上げた。(了)
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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