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【見通し】株式明日の戦略-8日ぶりの反発は4桁の上昇、下振れ懸念はいったん後退か

12日の日経平均は8日ぶり大幅反発。終値は1213円高の36833円。11日の米国では、注目の8月消費者物価指数(CPI)を消化して、3指数が荒い値動きとなりながらもプラスで終了。エヌビディアなど半導体株が大きく上昇した。加えて、ドル円も円安に振れたことから、これらを好感して寄り付きから500円を超える上昇となった。

 半導体株を中心に幅広い銘柄に買いが入った。上げ幅を4桁に広げて1200円超上昇したところでいったん買いが一巡。ただ、3桁高まで萎むと盛り返し、高い位置をキープした。後場に入ると改めての買いが入り、緩やかに上げ幅を拡大。終盤には36900円台に乗せる場面もあり、高値圏で取引を終了した。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆2100億円。業種別では全業種が上昇しており、電気機器、機械、非鉄金属などが大幅上昇。医薬品、食料品、倉庫・運輸などは相対的に見劣りする上昇となった。データセンター関連が人気化しており、さくらインターネットがストップ高。半面、今期の見通しが減益も含めたレンジ予想となったことが嫌気されたベストワンドットコムが急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1550/値下がり77。東京エレクトロンやディスコなど半導体株が軒並み大幅高。アドバンテストは9%を超える上昇となった。ナスダック高や傘下アームの急伸を受けてソフトバンクGが8%高。円高にブレーキがかかったことから、トヨタ、ホンダ、スズキなど自動車株に見直し買いが入った。三菱重工、IHIなど防衛関連や、NEC、日立など総合電機が強い上昇。配当実施を発表したANYCOLORが買いを集め、同業のカバーも連れ高した。

 一方、第一三共が逆行安。3Q累計で最終赤字となった神戸物産が下落した。関電工やきんでんなど電気工事関連が軟調。打ち上げた小型衛星に関する不具合のリリースが嫌気されたQPS研究所が急落した。

 日経平均は大幅高。きょう大幅高となったのは、前日までが7日続落と弱すぎた反動であるだけに、手放しでは喜べない。それでも、ここからもう一段円高と株安が進んだ場合、投資家心理の改善にはかなりの時間を要す可能性もあっただけに、大きく反発したことはポジティブ。全面高で、後場に入ってからもひと伸びがあった。

 米国では本日、8月生産者物価指数(PPI)の発表がある。きのうのCPIの結果を受けて、9月のFOMCでは利下げ幅が0.50%ではなく0.25%になるとの見方が強まっている。PPIよりはきのう発表されたCPIの方が注目度が高いだけに、よほどイレギュラーな結果とならない限り、米国市場はPPIの結果を無難に消化するだろう。欧州のECB理事会が相場をかく乱する可能性があるが、ドル円は足元142円60銭近辺と、ひとまず140円割れは回避できそうな状況。きょうの日経平均は1213円上昇したが、3日から11日までの7営業日では3081円下落している。もう一段上昇し、底打ち期待を高めて三連休を迎える展開に期待したい。

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ