本日のNY為替市場のドル円は、米4月雇用統計を見極めた後は、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒する展開が予想される。
4月米雇用統計の予想は非農業部門雇用者数変化が前月比+24.3万人、失業率は3.8%、平均時給は前月比+0.3%、前年比+4.0%と見込まれている。予想通りならば、米連邦公開市場委員会(FOMC)後のパウエルFRB議長の発言、「今年はこれまでのところ、特に確信を深められるようなデータは得られていない」を裏付けることになる。
もしドル円が上昇するような結果だった場合は、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒しておきたい。
本邦通貨当局は、2022年10月21日(金曜日)には東京時間23時半頃に電撃的な円買い介入を断行。先日の5月2日(木曜日)には東京時間午前5時過ぎに円買い介入を行ったとの見方が優勢だ。
本邦通貨当局がすぐに円転できる外貨準備高の外貨預金は、3月末で1550億ドル(@155円=約24兆円)だった。月曜日の覆面介入では5.5兆円規模、昨日早朝の覆面介入は3.5兆円程度だった模様で、介入が実施された前提に立つと現在は15兆円程度の余力が残されている。
一方で、本邦通貨当局が2022年9月と10月に行った過去最大規模のドル売り・円買い介入の時は、外貨準備のうち有価証券が大幅に減少しており、これは介入のために売られたドルを米国債の売却で調達したことを示していた。今回も外貨預金と有価証券の減少度合いに注目しておきたい。
本邦通貨当局によって行われた可能性が高い今週の円買い介入は、29日が160.17円まで上昇した後の159円付近、2日早朝は157円台で円の押し上げ介入となっている。本日も同様の円押し上げ介入の可能性に警戒しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、155.49円(日足一目均衡表・基準線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、151.57円(4/8・9安値)
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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