本日のニューヨーク為替市場でドル円は4月ミシガン大学消費者態度指数のインフレ期待や複数の米連邦準備理事会(FRB)高官の発言に注目する展開となる。なお、153円前半でも本邦通貨当局は口先介入のみではあるが、ここから円安が一気に進むようだと実弾の円買い介入には警戒しておきたい。
FRBがインフレ期待指数として注目するミシガン大学消費者態度指数の3月分は、1年先の期待インフレ率は2.9%、5-10年先は2.8%だった。本日発表される4月分のインフレ期待が前回から上昇していた場合、現状のフェドウオッチが示唆している9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始が先送りされる可能性が高まることで、ドル買い材料となる。
本日は、コリンズ米ボストン連銀総裁がメディア出演、シュミッド米カンザスシティー連銀総裁とボスティック米アトランタ連銀総裁が講演予定、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁がイベントに参加予定。それぞれ、3月の雇用統計や消費者物価指数(CPI)、卸売物価指数(PPI)を受けた利下げ開始時期への言及に注目しておきたい。
また、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入への警戒感も維持しておく必要はあるだろう。2022年9月22日の円買い介入は、現在と同じく岸田首相の訪米中だった。また10月21日(金曜日)は東京時間23時半頃のNY市場で断行されており、本日もその辺りの時間帯に注意すべきかもしれない。
なお、前回の円買い介入が行われた水準であるドル円のボリンジャー・バンド+2σは、現在は153.35円付近に位置している。市場筋が「神田ライン」(過去1カ月間の安値+10円)として注視している水準は156.49円付近にある。
2022年10月21日のNY市場では、インフレ対応で大幅利上げを継続するとの見方から、米10年債利回りは上昇し、ドル円は151.95円(※ボリンジャー・バンド+2σ:150.39円)まで上昇していた。その後、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が利上げ減速の見通しを報じ、利回りは低下に転じていた。ロンドン・フィキシングでは100億ドル規模の取引があった模様だが、ドルの売り手は日本の金融機関が目立っていたとのことで、覆面介入が断行された模様。
中東情勢に関しては、依然として予断を許さない状況が続いている。イスラエル発の報道では、イランがイスラエルに対してミサイルを発射しようとしていたものの、バイデン米大統領の警告「我々は大規模な攻撃を仕掛けるというイランの脅しに対処したい。イスラエルの安全を守るため、できる限りのことをするつもりだ」を受けて中断したということだ。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は154.05円(3/11・21 安値の値幅 2 層倍=NT 計算値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は152.07円(日足一目均衡表・転換線)
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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