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【見通し】週間為替展望(豪ドル/ZAR)-豪ドル、対NZドルの動きに注目

◆豪ドル、RBAのニュートラル姿勢で主体的な動き難しい
◆豪ドル、RBNZの会合を受けた対NZドルの動きに注目
◆ZAR、堅調なコモディティ価格が支えも選挙リスクには注意

予想レンジ
豪ドル円 98.00-101.00円
南ア・ランド円 7.85-8.30円

4月8日週の展望
 豪ドルは神経質な動きになりそうだ。今週2日に公表された3月の豪準備銀行(RBA)理事会の議事要旨では、「利上げの議論をしなかった」ことが判明した。また、「インフレは高止まりながらも徐々に目標に向けて低下」との見解を示し、これまでのようなタカ派姿勢は後退した。もっとも、「リスクも概ね均衡している」と指摘していることもあり、欧米と比較すると金融緩和についてはややスピードが緩やかに進むことになる可能性が高い。

 来週は、豪州からは9日に4月ウエストパック消費者信頼感指数、NAB企業信頼感および景況感指数、11日には4月メルボルン・インスティテュートが消費者インフレ期待を公表するが、どの指標も市場を大きく動意づけるのは難しい。RBAもニュートラルな姿勢を示していることで、豪ドルが主体的に動くことは期待しづらく、市場を動意づけるのは国外動向となりそうだ。

 特に注目されるのが豪ドル/NZドルの動向。来週10日にNZの中銀RBNZが金融政策委員会(MPC)を開催。前回会合後にオアRBNZ総裁は会見で「市場予想より高い水準で金利を維持する必要となる可能性」を示唆したほか、「利下げではなく、利上げを議論した」と発言したが、声明文で発表されたオフィシャルキャッシュレート(OCR)の予想が小幅に低下していたことを受けてNZドルは弱含んだ。今週も豪ドル/NZドルは連日年初来高値を更新しているが、RBAがインフレについて中立になりつつある中で、RBNZ総裁が前回よりもタカ派トーンを弱めると、更に豪ドル高・NZドル安が進む可能性もありそうだ。なお、NZからは9日にNZIERのビジネス・オピニオン・サーベイが発表される。これまでも、調査結果の金利予想で市場が動意づいたこともあるため注目したい。

 南アフリカ・ランド(ZAR)は堅調地合いを維持できるかに注目。来週も南アからは主だった経済指標の発表が予定されていないため、今週同様、米金利や金・プラチナ価格などのコモディティの動向に左右されることになりそうだ。ただ、来月後半の総選挙に向けて、南アの政治状況には目を向けておきたい。今週3日には国民議会議長のマピサ=ヌカクラ氏が、国防大臣在任中に請負業者から230万ZARの賄賂を要求した疑いで告発され、議長職だけでなく議員も辞任した。すでに、総選挙での与党アフリカ民族会議(ANC)の過半数割れが確実視されている中で、更なるスキャンダルの発覚で支持率低下となれば、ZARの重しになる。

4月1日週の回顧
 豪ドルは堅調。日経平均をはじめ堅調な株式相場は、リスク選好の動きに敏感な豪ドルの支えとなった。豪ドルは対円では、2014年12月以来となる100.40円まで上昇した。対ドルでは3月中旬以来の0.66ドル台を回復した。

 ZARは堅調な動き。金先物価格が最高値を更新し、南アが世界最大の生産高となるプラチナ価格も上昇するなどコモディティ価格が堅調な動きを見せたことがZAR買いを促した。対円では年初来高値となる8.17円まで上値を伸ばした。(了)

※執筆:4月5日、10:30

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ