
欧州中央銀行(ECB)や英中銀による利下げのタイミングを探る段階になってきたなかで、ユーロやポンドは対ドルで上値の重い動きが続いている。地合いの弱いところに売りが持ち込まれることになれば、下げ足を一気に速める場面も出てくるだろう。足もとではユーロドルが日足一目均衡表・雲の下限1.0803ドル、ポンドドルは200日移動平均線1.2590ドルを巡る攻防が注目される。
難しいのは単純に対ドルだけでなく、月末・期末ではユーロポンドでもまとまったフローも出てきやすいこと。同通貨ペアは先週末に0.86ポンドを超えたところで頭を抑えられ、今週は0.85ポンド後半でやや伸び悩み。今のところ、0.8580ポンド台の90日移動平均線か0.85ポンド半ばの21日移動平均線のどちらか抜けた方向にレンジを広げるように見える。
経済指標はドイツから2月独小売売上高や3月雇用統計、英国からは改定値だが10-12月期GDPが発表予定。市場への影響は小さいと思われるが、ひとまずは独小売売上高の前年比マイナス幅や英GDPの低調さを確認することになりそうだ。また、ハト派のパネッタ伊中銀総裁の講演も予定されている。
他、昨日も一時売りが強まったスイスフランには目を向けておきたい。ユーロスイスフランは昨年6月下旬以来のユーロ高フラン安となる0.9820フランをつけ、フラン円が昨年末以来の安値166.58円まで下値を広げた。もっとも一巡後は下げ幅を縮小しており、スイス休場を明日に控えてフラン安の流れに調整が入る可能性もある。経済指標では3月スイスKOF景気先行指数(予想:102.0)が発表予定。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.0889ドル
・ポンドドル、日足一目均衡表・基準線1.2735ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、2月19・20日安値1.0762ドル
・ポンドドル、2月14日安値1.2536ドル
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ