本日のロンドン為替市場でユーロドルは、欧州中央銀行（ECB）の利下げ時期を探りながらの値動きとなるか。経済指標や金融当局者の講演も少ないため、1.0830ドル台で下向きの200日移動平均線を中心に上下する展開も考えられる。また、週明けから再び弱含み始めたスイスフランの動向にも目を向けておきたい。
昨日のユーロドルは1.08ドル手前で下げ渋り、欧州長期金利の上昇を眺めながら1.0840ドル台まで切り返した。結果的に日足一目均衡表・雲の下限が支持水準として働いたことになる。もっとも調整の範囲を出ておらず、ECBの次の一手「利下げ」に対する期待が高まるなかでユーロの上値も限られそうだ。
気になるのは、資金の動きが米国から欧州に移っているらしいということ。一部通信社が米金融機関のデータとして、世界のヘッジファンドが米国株のポジションを減らし、逆に欧州株に資金を向けていると報じている。どの程度まで為替に影響があるかは不透明だが、このような話はユーロにとって悪いことではない。
欧州時間の重要な経済指標は4月独消費者信頼感指数（Gfk調査）のみ。市場予想はマイナス27.9と前回から若干改善と見込まれているが、水準自体は決して良いとは言えない。相場へのインパクトは小さいだろうが、欧州最大の経済規模ドイツの指標であるため、気にはかけておきたい。他、ミュラー・エストニア中銀総裁の講演が予定されている。
ドルスイスフランは昨日から執筆時点の東京昼頃まで0.90フラン手前で底堅く、ユーロスイスフランが0.97フラン割れから0.97フラン半ばまでユーロ高フラン安に振れた。先週末は、モスクワ郊外のテロや中東地政学リスクの高まりでフラン買い戻しとなるも、依然として21日のスイス中銀（SNB）サプライズ利下げの影響は残っている。
昨日の動きからだと、ユーロスイスフランの堅調さがユーロドルを下支えたようにも見える。スイス金利の先安観が強まるなか、ユーロスイスフランが昨年7月以来の0.98フランを目指すようならば、ユーロドルの下がりづらさに繋がかもしれない。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・雲の上限1.0917ドル
・ユーロスイスフラン、2023年7月3日高値0.9805フラン
想定レンジ下限
・ユーロドル、2月19・20日安値1.0762ドル
・ユーロスイスフラン、21日安値0.9667フラン
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
