27日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、予想を下回った1月米耐久財受注額を受けて150.08円まで下落後、米10年債利回りが上昇したことで150.58円付近まで持ち直した。ユーロドルは欧州時間の高値1.0866ドルから1.0833ドルまで反落した。ユーロ円はドル円の買い戻しにつれて163.38円付近まで値を上げた。
本日の東京外国為替市場のドル円は、151円を防戦してきたバリアオプションが満期を迎えることで、日米債券利回りや日経平均株価次第では151円への買い仕掛けの可能性を警戒しておきたい。
ドル円の上値を抑える要因としては、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性や昨日発表された日本の1月消費者物価指数(CPI)を受けて3月の日銀金融政策決定会合での金融政策正常化の可能性がやや高まったことなどが挙げられる。
昨日発表された1月のコアCPIは前年比上昇率が3カ月連続で縮小したものの、22カ月連続で日本銀行の掲げるインフレ目標の2.0%を維持した。昨年2月以来、物価の押し下げ要因となっていた政府の電気・ガス代負担軽減策の影響が一巡することから、2月のコアCPIは2%台後半になると予想されている。賃金を反映しやすいサービス価格は前年同月比2.2%上昇していた。1月コアCPIを受けて、新発2年国債利回りは約13年ぶりの高水準となる0.17%まで上昇しており、150円台前半までの円買い要因となった。
植田日銀総裁は2月22日の衆院予算委員会で、政策決定で重視する基調的な物価上昇率は今後高まり、2%目標実現の鍵を握る賃金・物価の好循環が強まっていくとの見通しを示していた。そして、「日本経済はデフレではなくインフレの状態にある」とも述べており、3月18-19日の日銀金融政策決定会合で金融政策の正常化に踏み出す可能性がやや高まっている。
9時30分に発表される1月豪消費者物価指数(CPI)は前年同月比+3.6%と予想されており、12月の同比+3.4%からの上昇が見込まれている。2023年10-12月(第4四半期)のCPIは、前年同期比+4.1%と前期の+5.4%から伸び率が鈍化していた。
6日に発表された豪準備銀行(RBA)の四半期金融政策報告では、「労働需要と賃金への下押し圧力がさらに高まり、予想よりも早いインフレ目標への復帰が見込まれる」と公表していた。
しかし、2023年10-12月の豪賃金指数は前年比+4.2%と発表され、7-9月期の同比+4.0%から上昇しており、12月のCPIも予想通りに上昇していた場合、RBAの更なる利上げ観測が台頭し、豪ドル買い要因となる。
10時に発表されるニュージーランド準備銀行(RBNZ)の政策金利は、5.50%で据え置きと予想されている。しかしながら、2023年第4四半期の失業率が予想を下回る4.0%、就業者数も改善していたことで、一部金融機関は利上げの可能性を予想しており、要警戒となる。11時からのオアRBNZ総裁の記者会見にも注目しておきたい。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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