
先週発表されたユーロ圏の10-12月期域内総生産(GDP)は前期比・横ばいと2四半期連続のマイナス成長は免れた(7-9月期は前期比-0.1%)。もっとも、同域で最大の経済大国ドイツはマイナス成長が続いている。依然として欧州と経済的な結びつきが強い中国の景気がさえないこともあり、ユーロ圏の経済回復はかなりスローペースとなりそうだ。
一方、先週末に発表された1月米雇用統計は市場予想より強い結果となった。米労働市場の強さが確認され、「米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ」に対する思惑が後退。週明けの時間外ではあるが、米10年債利回りは上昇幅を拡大している。アジアでもそうだったように、対ドルでは米長期金利の動向を睨みながらの取引か。
経済指標は、仏・独・ユーロ圏の1月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)が発表される。ただし改定値であり、大きく予想から外れない限りは市場への影響は限定されるだろう。
ほか、欧州序盤には1月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比6.50%/前年比64.56%)が発表され、インフレ高止まりが確実視されている。トルコ中銀が利上げ打ち止め方針を示すなか、もしCPI上振れとなれば、実質金利マイナス幅の拡大が嫌気されてリラの重しとなりそうだ。また、カラハン新中銀総裁に対する市場の反応も気にかけておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0856ドル
・トルコリラ円、1月23日高値4.93円
想定レンジ下限
・ユーロドル、ピボット・サポート2の1.0704ドル
・トルコリラ円、過去最安値4.74円
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ