NYタイムは、米株式市場の寄り付き前21時30分に開始される見込みのボスティック米アトランタ連銀総裁の講演内容にまず注目したい。同総裁は先週9日、「年末までに2回の0.25%の利下げが見込まれる」と述べつつも、足もとの対応については「FRBはインフレを抑制するために制限的な政策を機能させ続けることが可能」としていた。ここ最近のドル高を後押ししていた米利下げ開始観測後退の見方を支援する内容だった。
ただ、対円で相当程度の進展を示したドル買い戻しに調整の下押しも入っている。調整がさらに進むか、再びドル買いへ傾くか、市場は米連邦準備理事会(FRB)高官の発言に神経質になっている。ボスティック総裁は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)金融政策決定の投票権を有するメンバーである。
米株寄り付き前に注目度の高い複数の米経済指標発表も予定されている。22時30分から12月米住宅着工・建設許可件数、米失業保険関連指標、1月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数など。住宅着工・建設許可件数は消費への波及効果も大きな住宅関連指標のなかでも先行指標的な位置づけであり強弱に気を配りたい。
そのほか労働関連指標とフィラデルフィア連銀製造業景気指数だが、先日に1月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が弱い結果となった際にドル売りの反応を示した経緯もあるため、フィラデルフィア連銀製造業景気指数の強弱にも注意が必要となる。もっともその局面ではFRB高官のタカ派発言で巻き戻しのドル買いが入ってため、本日もFRB高官発言と米経済指標をバランスよく観察する必要がある。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、昨年11月28日高値148.83円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、146.58円前後で下支えとなりそうな26週移動平均線。
(関口)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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