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【市場概況】東京為替見通し=早期のゼロ金利政策解除観測後退も、年末控えた特殊相場で乱高下か

海外市場ではドル円は、米リッチモンド連銀製造業指数が予想を下回ったことで全般ドル売りが先行。堅調な米5年債入札を手掛かりに米長期金利が低下幅を拡大すると円買い・ドル売りが活発化し、141.55円まで値を下げた。ユーロドルは一時1.1123ドルと7月27日以来5カ月ぶりの高値を更新した。ユーロ円は、ダウ平均が史上最高値を更新するなど米国株相場が底堅く推移すると、リスク・オンの円売り・ユーロ買いが優勢となり158.39円と日通し高値を更新した。ただ、ドル円の下落につれた売りも出て、一時157.30円付近まで下押しした。

 本日のドル円も方向感がなく上下し、年末相場としか例えようのない相場となりそうだ。昨日のドル円とクロス円の乱高下は、年末を挟んでスワップポイント獲得期待で円ショートにしていた市場参加者が、あきらめてポジションを手仕舞ったとのうわさもあった。本日もスポット応当日が年をまたぐことや、年末にかけての特殊玉のフローが東京時間の仲値前後からNY時間まで満遍なく出てくることも予想されることで、ファンダメンタルズを無視した値動きになりやすい相場が続くことになるか。

 昨日は1日を通すと結果的にはドル安・円高になったが、今週に入り円安に傾く材料も豊富に出ている。26日に発表された11月の全国消費者物価指数(CPI)から算出した「刈込平均値」「加重中央値」「最頻値」のインフレ基調3指標が、生鮮食料品を除くコアCPIが2%を超えてからは22年4月以来となる3指標の伸び率が同時にすべて縮小した。そして、昨日発表された12月18-19日に行われた日銀金融政策決定会合における主な意見で、「(現在、慌てて利上げしないと、ビハインド・ザ・カーブになってしまう状況にはなく)少なくとも来春の賃金交渉の動向を見てから判断しても遅くはない」との見解が示された。これまで市場が日銀のゼロ金利政策解除への期待が先走り過ぎていた巻き返しが入りやすい状況下にあり、ドル円の下値を支えることになるだろう。本日は、本邦の11月鉱工業生産・速報値が発表されるが、前年比で10月の+1.1%から-2.1%、前月比では+1.3%から-1.6%への低下が予想されている。予想よりマイナス幅が拡大した場合は、円安に動くか。
 
 一方で、円高を促すのが経済界からの催促という面がある。経団連の十倉会長は18日に日銀のマイナス金利などの大規模緩和策について「できるだけ早く正常化すべきだ」と述べ、経団連が「前年以上の熱量で賃上げをめざす」としている。本日の日経新聞朝刊も「社長100人のアンケート」で賃上げは「5%台が最多」との見出しで、賃上げ路線が継続されるような報じ方をしている。また、昨日の日銀の主な意見についても日経新聞は「緩和出口へ現実味」と報じ、昨日市場が捉えた方向とは違う見出しで、ゼロ金利解除への道を煽っているようにも見受けられる。本邦金利の動向も2面性があることで、年末の薄い相場の中で、本日も方向感なく上下することになりそうだ。

 また、昨日は米国市場も、通常なら市場の反応が鈍い米リッチモンド連銀製造業指数などで動意づき、米金利低下・ドル安となった。年末の特殊相場ということもあり、本日も通常ならば反応が鈍い経済指標や観測記事などで、大きな値動きを繰り返すことになりそうなので注意をしたい。

(松井)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ