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【見通し】株式明日の戦略-米国株高を好感できず大幅安、円高リスクを強烈に意識

14日の日経平均は4日ぶり大幅反落。終値は240円安の32686円。13日の米国ではFOMCの内容やパウエル議長の会見がハト派的と受け止められ、ダウ平均が500ドルを超える上昇となって史上最高値を更新した。ただ、米国の長期金利が大きく低下し、為替市場では円高(ドル安)が急速に進行。これらを受けた日経平均は、寄り付きこそ3桁の上昇となったが、銀行株や自動車株が強く売られたことで、開始早々にマイナス圏に沈んだ。

 前場では200円超下げたところでいったん盛り返した。しかし、昼休みに一段と円高が進んだことで、後場に入ると下げ幅を拡大。安いところでは400円超下げる場面もあった。32500円台に入ったところで売りが一巡し、13時辺りからは下げ幅を縮小。ただ、米国株の大幅高に連動できず大きく崩れたことから戻りは緩慢となり、200円を超える下落で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆4600億円。値動きが荒くなったことで商いは膨らんだ。業種別ではサービス、化学、金属製品の3業種のみが上昇。一方、輸送用機器、銀行、保険などが大きく下落した。上方修正、増配、自己株取得発表など好材料が多かった高島が後場急騰。半面、1Qが最終赤字となった売れるネット広告社がストップ安まで売り込まれた。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり404/値下がり1221。円高を嫌って自動車株が軒並み大幅安となっており、ホンダ、日産自、マツダ、SUBARU、三菱自が5~6%台の下落となった。スズキも1:4の株式分割が好感されず4%近い下落。米長期金利の急低下が嫌気された銀行株では、三井住友が5%を超える下落となった。日本郵船や川崎汽船など海運株が軟調。東電HDや中部電力など直近で賑わっていた電力株が手じまい売りに押された。上期が大幅な減益となったヤーマンが急落し、年初来安値を更新した。

 買われた方では自己株取得を発表したリクルートが7.2%高。信越化学やSUMCOなどシリコンウエハー関連に強い動きが見られた。円高メリットが大きいと見られているニトリHDやセリアが大幅高。決算が好感されたウェルプレイド・ライゼストがストップ高比例配分となっており、親会社のカヤックも急騰した。

 日経平均は大幅安。ダウ平均の史上最高値更新をここまで好感できないのかという気持ちはあるが、円高が進めば強く売られるであろうことは想像もできた。後場に崩れたところで売られっぱなしにはならなかったし、きょうが全面安に近かった分、反転する際には幅広い銘柄に買いが入ると期待できる。ただ、あすはきょう同様に、日本株にはアゲインストの流れになってしまうかもしれない。

 本日は欧州でECB理事会が開催される。ここで届けられるメッセージが米国同様にハト派色が強かった場合、グローバルで長期金利が一段と低下する可能性がある。その場合、欧州株や米国株の反応は買いになると思われるが、円高に対する警戒が強まることから日本株はこの流れには乗れないだろう。ドル円は141円台まで円高方向に傾斜している。140円を割り込んでしまった場合には、そのことが為替のボラティリティを増幅させてしまう恐れがある。

 日経平均はきのうまでの貯金が大きく、きょうの時点では週間ではプラス。先週末の終値が32307円(12/8)で、この上に13週線(32305円、14日時点、以下同じ)や26週線(32399円)など週足の節目が控えている。きょうの安値は32515円で32500円は割り込まなかっただけに、このままプラスで週を終えてほしいところだ。米国株が強ければいずれ日本株にも流れは来る。チャートを大きく崩すことなく来週を迎えることができるかに注目したい。


・提供 DZHフィナンシャルリサーチ