◆豪ドル、利上げ打ち止め観測高まり上値は重い
◆豪ドル、11月雇用統計に注目
◆ZAR、対円では下値リスク拡大の可能性
予想レンジ
豪ドル円 93.00-97.50円
南ア・ランド円 7.40-7.90円
12月11日週の展望
豪ドルは上値が抑えられそうだ。今週行われた豪準備銀行(RBA)理事会では、市場予想通りに政策金利を据え置いた。注目された声明文では、追加利上げについてはデータ次第とし、最重要となる結びの最終段落の部分も全くの変化なし。タカ派色が後退したとされた前回声明をほぼ踏襲した。一方、「中国経済の見通しや海外の紛争の影響に関しては、依然として高いレベルの不確実性が存在している」としているものの、「サービスのインフレが低下している」ことや、「生産性の伸びが回復すれば、賃金上昇はこれ以上大きくは伸びず、インフレ目標と整合的になる」などの見解も示した。
これまでの声明よりもタカ派ではないと受け止められ、発表後に豪金利は低下傾向を辿った。市場では欧米同様に利上げ打ち止め観測が高まっている。これまで1-2回の更なる利上げを予想していただけに、豪ドルは上値が抑えられる展開を予想する。
来週の注目は14日に発表予定の11月雇用統計。10月の失業率は3.7%となり、9月にRBAが発表した見通しとほぼ変わらない水準を保っている。RBAの予想は12月にかけて3.75%、来年5月は4%となっているが、このまま雇用情勢が悪化しない場合は豪ドルの支えになるだろう。なお、その他では12日に12月NAB企業信頼感・景況感、14日にメルボルンインスティテュートが公表する12月インフレ期待にも注目。また、12日にブロックRBA総裁、14日にジョーンズRBA総裁補が講演を予定している。
南アフリカ・ランド(ZAR)は引き続き上値が重そうだ。今週発表された、7-9月期国内総生産(GDP)は市場予想を下回り、マイナスに転じた。市場では10-12月期も景気停滞となってマイナスに陥るとの予想となっており、南アは景気後退(リセッション)入りの可能性が高まっている。来週は13日に11月消費者物価指数(CPI)が発表されるが、国内エネルギー基準価格が低下していることからインフレは抑えられている可能性が高い。ただ、市場予想を上回った場合には、インフレ下の景気後退でスタグフレーション懸念も高まりそうだ。なお、11日には10月小売売上高、14日には卸売物価指数(PPI)も発表される予定。
12月4日週の回顧
豪ドルは対ドル・対円ともに弱含んだ。対円では前週に98.54円まで上昇したが、年初来高値を上抜けられずに下落。週末にかけては10月1日以来の93.73円まで急落した。RBA理事会での声明文で、利上げ打ち止め観測が高まったことが重し。ただ、7-9月期設備投資の伸びが大きかったことは豪ドルの支えになっている。
ZARは弱含んだ。対円では11月中旬に年初来高値を更新後から戻り売りが続いている。7日にはドル円の暴落もあり一時7.56円と8月半ば以来の安値まで下げ幅を広げた。対ドルでも10月26日以来となる19ZAR台まで一時ZAR安が進んだ。7‐9月期GDPが弱い結果となったことも売り要因となった。(了)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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