
昨日のドル円は一時147.15円まで続落し、大幅下落した反動もあり、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨公表後には148.60円まで反発した。ドル円は13日に151.91円まで上昇するも、昨年10月21日に記録した1990年7月以来の高値151.95円を上抜けできず失速した。米利上げサイクル終了の見方が強まったことを背景にドル高圧力が後退し、ドル円は上値警戒感が緩んだものの、クロス円の堅調な動きが続くなど円安地合いの継続でしばらくは150円大台を維持し底堅い動きとなった。ただ、先週末に150円大台を割り込み、商品先物取引委員会(CFTC)での投機筋の通貨先物ポジションで円ショートポジションが約6年ぶりの高水準となっていることがクローズアップされるなか、米感謝祭を控え急速に円ショートポジションの調整が進んだ。
今週に入って注目の材料が乏しいなか、ドル円は下落基調を強め、どこまで調整売りが進むかが注目されたが、いったんは売りが一巡したとみていいだろう。9月13・14日の安値147.02円を下抜けし、147円大台を割り込めば145円台まで一段と売りが進んだ可能性もあっただけに、明日に日本が勤労感謝の日、米国で感謝祭を迎え流動性の低下が見込まれ油断は許されない。本日も日米市場で注目材料は乏しく、先週末から大きく下落したドル円に一段の買い戻しが入るかどうかは米長期金利の動き次第だろう。
昨日のFOMC議事要旨では、今後の利上げについて慎重なアプローチを取るとしながらも、インフレ低下の進展が不十分であることが示唆されれば金利を引き上げる必要があるとの見解で一致したことが明らかになった。米連邦準備理事会(FRB)による利上げサイクル終了しても、高金利水準が長期間続く可能性が高い一方で、日銀の金融政策正常化期待が強まっていないことを鑑みると、ドル高・円安地合いが変わったと判断するのはまだ早い。
(金)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ