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【市場概況】東京為替見通し=ファンダメンタルズ通りの円独歩安、実弾介入以外は歯止め効かないか

海外市場では、米10年債利回りが4.69%台まで上昇したことなどを手掛かりに円売り・ドル買いが先行し、151.91円と年初来高値を更新した。その後、一時151.21円まで下押ししたが、売り一巡後は買い戻しが優勢となり151円後半ばまで持ち直した。ユーロドルは一時1.0706ドルと日通し高値を更新した。

 本日のドル円も為替介入に警戒しつつ、円安のトレンドから離れられない相場展開が続くか。昨日も再び円の年初来安値を更新したが、円安を止めることができるのは実弾介入以外方法がなくなっている。前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げ打ち止めを示唆した一方で、日本はYCC(イールド・カーブ・コントロール、長短金利操作)の再修正が行われた。しかしながら、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は今月9日の国際通貨基金(IMF)での講演で「さらなる引き締めが適切になれば躊躇しない」と発言。一方、日銀は10月31日の声明文で「必要なら躊躇なく追加緩和」と、真逆なことを発表している。経済の発展性からみた金融政策の方向性の違いは明らかで、円安を止めることが難しい状況だ。米国だけでなく、欧州・アジア諸国と比較しても日本だけ取り残された状況になり、多くの通貨で円安が進むのはファンダメンタルズに基づいた動きだ。支持率が低下傾向にある岸田政権が、円安を阻止するには実弾介入以外なくなってきている。また、先週末に格付け会社ムーディーズ社による米国の信用格付け見通しを引き下げたが(安定的からネガティブ)、これに対する昨日の米市場の反応は非常に限定的であったことで、ドルが大きく崩れることを期待するのも難しいだろう。

 市場筋の間では、昨年の介入時点で輸入業者が仕込んだノックアウトオプションが、ドル円が上昇すればするほど大きいものがあり、ノックアウトされた場合には輸入業者は水準が悪くても再びドル買いをしなくてはならず、下値が更に固くなると指摘されている。特に昨年32年ぶりに付けた高値151.95円の上の節目152.00円から155円にかけては、そのようなノックアウトオプションが多数あるとのうわさもあり、介入が遅くなれば遅くなるほど下値が支えられることになりそうだ。この状況を阻止するためにスタンバイ状態とされる当局の動きが注目される。

 また、警戒が必要なのは、本日は米国から10月消費者物価指数(CPI)が発表されること。仮に結果が強くなった場合には、ドルが一気に152円台を超えて33年ぶりの水準まで円安が進むリスクもありそうだ。

(松井)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ