昨日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。リスクオフの円買いが優勢となるなか、ローガン米ダラス連銀総裁やジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長の発言もドル売りを促し、ドル円は一時148.44円まで下押した。ユーロドルはリスクオフのドル買いで1.0520ドルまで下押したが、NYタイムでは1.0570ドル台まで持ち直した。投資家のリスクオフムードが強いなか、ユーロ円は156.52円まで弱含んだ。
昨日のドル円は下落したが、米長期金利の上昇に伴ったドル高地合いは変わらず、押し目には依然として買いが入りやすい。ただ、日本当局の円買い介入への強い警戒感で、150円に近づく水準では売りも入りやすく、足もとでは動きづらい相場展開が続いている。先週末の米雇用統計は、米連邦準備理事会(FRB)が年内に再利上げに踏み切るとの確信をもたらすには至らなかったものの、雇用統計の結果を受けて市場ではFRBが利下げに転じる時期の予想は2024年後半とさらに後ずれした。東京タイムでは連休明けの米債券市場の時間外取引の動きに注目。
岸田政権は、今月末にも経済対策を発表する方針だ。経済対策の最優先課題は物価高であり、円安はエネルギーや食品など輸入物価を引き上げ、家計を直撃する。介入を躊躇し、岸田政権が円安を放置していると受け止められれば、経済対策の評価が大きく後退してしまう可能性もある。米国経済が予想以上に底堅く推移し、利上げが長期化するとの見方が強く、日米の金利差拡大に伴う円安・ドル高のトレンドは当面続きそうだ。「介入効果は一時的」になる可能性は高いものの、ドル円の150円超え水準では日本当局が円買い介入を実施するとの見方は根強い。
昨日は早朝からパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスによるイスラエルへの大規模攻撃を背景に安全資産が買われたものの、パニック的な動きにはなっていない。地政学的な出来事の影響は短期に終わる可能性はあるが、市場は事態の推移を見守っている。
(金)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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