
先日発表された8月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数は961万件となり、7月の883万件から増加していた。しかし、失業者数も大幅に増加していたことで、パウエルFRB議長が注視している「失業者1人当たりの求人件数」は1.51件まで減少し、2021年9月以来の低水準に落ち込んでいた。
本日発表される9月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)や前週分の米新規失業保険申請件数などを見極めつつ、明日発表される米9月雇用統計を待つことになる。
また、マッカーシー米下院議長が解任されたことで、次期議長の人選にも要注目となるが、年初の議長選任が難航したように、共和党・強硬派の支持を得ない限り次期議長の選任が厳しいことが懸念される。つなぎ予算が切れる11月17日以降は、新たな予算案が通過せず、感謝祭の季節に政府機関の閉鎖が現実味を帯びてくることで、米格付け会社ムーディーズ・インべスターズ・サービスによる米国債格下げへの警戒感が高まることになる。
10月3日のドル円の急落(高値150.16円~安値147.43円)は、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入ではなくて、前哨戦としてのレートチェックに過ぎなかった模様だが、150円が防衛ラインとして示唆された可能性があることで、ドル円の上値が限定的となった可能性にも警戒しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、10月3日の高値の150.16円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、10月3日の安値の147.43円。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ