本日のニューヨーク為替市場でドル円は上値余地を試すか。今週初の円高要因とされた植田日銀総裁のインタビュー記事について、同総裁の意図と市場の受け止め方にギャップがあるという日銀関係筋の見方を一部通信社が報じた。植田総裁がマイナス金利解除の可能性も示唆したという解釈はかなり偏り過ぎているということだ。1週間後に金融政策決定会合の結果公表を控え、金融当局サイドとしても市場の先走りは防ぎたいのだろう。
正常化見通しの後退や米金利が再び上げ幅を拡大したこともあり、欧州序盤にドル円は147円後半まで上昇している。13・14日と2日続けて147.02円で下値を止められこともあり、買い遅れ感も再び高まっているようだ。来週月曜は祝日で東京勢の多くが不在のなか、本邦当局による為替介入は出来ないというわけではないが、実施しづらいのは確かだろう。介入警戒感の緩みを見越した投機筋が、「円売りで攻める」という局面があってもおかしくはなさそうだ。
米経済指標は9月ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:▲10.0)や同月消費者態度指数(ミシガン大調べ・速報値、予想:69.1)が発表予定。昨日に続いて強めとなれば、ドル円は久しぶりの148円台で上値を試す展開となりそうだ。ただし、年末に向けた金融政策の思惑が交錯しているなか、ミシガン大調べの期待インフレ率にも注意しておきたい。エネルギー価格が上昇基調を強めているなかで期待値低下ということは考え難いものの、予想外に下振れた場合は米金利低下とともにドル売り戻しが進むことになるだろう。
想定レンジ上限
・ドル円は昨年11月3日高値148.45円、その上は10月31日高値148.85円
想定レンジ下限
・ドル円は13・14日安値147.02円から日足一目均衡表・転換線146.89円辺り。
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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