本日のニューヨーク為替市場でドル円は、序盤の米経済指標を受けた米・中長期金利の反応を見定めながらの取引か。日本時間21時30分には、8月卸売物価指数(PPI)や同月小売売上高、また週間の失業保険データなどが発表予定。昨日の8月米消費者物価指数(CPI)を経て、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では金利据え置きがほぼ確実視されている。もっとも年末に向けた残り2会合のどちらかで0.25%利上げという可能性は残っており、その辺りの思惑に本日の指標結果が影響してくるかが注目される。
8月米PPIは前年比総合が前回から上振れ予想だが、それでも1.2%程度と5月分1.5%には届かない見込み。前年比コアは2.2%と前回から減速が見込まれている。PPIコアが2%割れを目指す雰囲気となれば、金融当局のタカ派色も薄まってくるかもしれない。同時に発表される小売売上高は、前月比総合/自動車除くともに前回を下回ると見られている。特に総合は0.2%と弱めの予想であり、ちょっとした振れでマイナスに沈む可能性もありそうだ。
ドル円にとって厄介なのが、米指標発表の前に欧州中央銀行(ECB)が政策金利を公表し、指標後にラガルドECB総裁の定例記者会見が予定されていることだろう。政策金利に関しては、4.25%で据え置きと4.50%に引き上げ予想が拮抗しており、結果や声明に対していつも以上に通貨ユーロは敏感な反応を示しそうだ。ラガルド総裁の会見も、その最中に乱高下することも多いため気は抜けない。ECBに絡んだユーロ中心の動きとなるか、または米経済指標を受けたドル相場となるか、ニューヨーク前半は判断が難しくなるだろう。
想定レンジ上限
・ドル円は7・8日高値147.87円から心理的節目148.00円。
想定レンジ下限
・ドル円は21日移動平均線146.49円や12日安値146.44円。
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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