ユーロドルは先週末に約2週間ぶりの高値となる1.1686ドルまで上昇したが、昨日は1.1607ドルまで弱含んだ。依然として中東紛争が金融市場全般の主役となっており、関連のヘッドラインで神経質な動きを続けており、二転三転する米・イランの平和協議に関する報道を前に方向感は定まりにくい。
昨日、イランはイスラエル問題への抗議として米国との交渉を停止し、ホルムズ海峡を完全に封鎖すると宣言した。これに対しトランプ米大統領は「ヒズボラとイスラエルが双方への攻撃を停止することで合意した」と投稿し、協議は継続しており「来週中には停戦延長など合意に達する見込み」と述べている。今後、協議がうまくいっても「停戦延長の合意」にとどまるとみられ、中東リスクが払しょくされるわけではないことから、当面「有事のドル買い」が大きく巻き戻される可能性は低い。
ユーロ独自材料としては5月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値に注目。市場予想はHICPが前年比+3.2%、コアHICPは同+2.4%と、それぞれ前月の+3.0%、+2.2%から伸びの加速が見込まれている。市場は6月11日の欧州中央銀行(ECB)理事会での利上げをほぼ織り込んでおり、同指標結果が注目される。伸びが鈍化しない限り、利上げ予想に変化はないと思われるが、ECBが昨日公表した月次調査によると、向こう3年間のインフレ率は+2.9%と見込まれ、3月の+3.0%から低下し、前回の物価急騰局面のピークだった2022年10月の+3.1%をわずかに下回る水準にとどまった。6月ECB理事会での利上げ予想が優勢であるものの、一部のメンバーは戦争が経済活動に与える影響も懸念しており、6月以降の政策運営については慎重な姿勢を崩していない。
・想定レンジ上限
ユーロドルは日足一目均衡表・雲の上限1.1703ドル。
ユーロ円は日足一目均衡表・雲の上限186.14円。
・想定レンジ下限
ユーロドルは5月28日安値1.1586ドル。
ユーロ円は日足一目均衡表・基準線184.81円。
(金)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
