本日のロンドン為替市場では、引き続きイラン情勢を注視せざるを得ない展開が続く見通しである。
米・イランの協議を週末11日に控え、目先はイランと協力関係にあるレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの取り扱いについて注目したい。当初、イランは協議の対象との認識を示したが、米国やイスラエルは対象外との認識であった。日本時間8日朝にトランプ米大統領が2週間の停戦を発表後も、イスラエルはヒズボラについては「対象外」として攻撃を継続している。
昨日、イスラエルのネタニヤフ首相はレバノンとの直接交渉開始を指示したことを明らかにし、「交渉はヒズボラの武装解除と両国間の平和的な関係構築に焦点を当てる」としている。なお、初回交渉は来週に米国で行われる予定である。足もとでは後述の米・イラン協議と合わせて進展期待からリスクオンの流れとなっており、本日の日経平均は1000円超の上昇となっている。交渉においてヒズボラの扱いを含めた形で和平協議が進展するようならば、リスク回避のドル高や供給不安による原油高を巻き戻す動きが強まる可能性がある。引き続き、関連報道に神経質となる展開は続く見通しである。
焦点を米・イラン間に戻すと、市場では協議の難航が予想されている。米国とイランの双方が提示している停戦条件に隔たりが大きいためだ。両国が提示した条件は正式には伝わっていないものの、概ね米国は核開発や核物質の放棄などを、イランは賠償やホルムズ海峡の通行料、核開発の権利などと、双方にとって譲歩が難しい条件が並んでいるとされる。こちらも、明日からの交渉を前に関係者の発言に注意したい。
本日の経済イベントは、序盤に独3月消費者物価指数(CPI)・改定値やノルウェー3月CPIが予定されている程度と少ない。中盤にデギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁の発言機会が予定されている。同副総裁は先月23日にスペイン紙が行ったインタビューで、エネルギーコストの上昇がユーロ圏の景気後退を招く恐れは小さいとしつつ、急激な価格上昇が続く場合は行動が必要との見解を示していた。米・イランの停戦合意を受け、金利先物市場ではECBの年内利上げ回数の織り込みがそれまでの3回から2回に後退する中、発言のトーンに変化が見られるか確認しておきたい。もっとも、NY時間に3月CPIや4月ミシガン大学消費者態度指数・速報値など複数の米経済指標の発表を控えており、これらの結果を見極めたいとして手控えムードが広がることも考えられる。
(川畑)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
