本日の欧州時間でユーロは引き続き堅調地合いを維持しそうだ。経済指標では1月の仏消費者信頼感指数が発表され、ナーゲル独連銀総裁の講演も予定されている。しかし、ここ最近は欧州中央銀行(ECB)の金融政策の注目度が低下していることで、市場を動意づけるのはトランプ政権をはじめとした米国の内政や外交になるだろう。また、月末が近づいていることで、ロンドンフィキシングをはじめとした、特殊玉が市場動向を左右することもありそうだ。
本日トランプ米大統領は、韓国議会による米国との貿易協定の承認が遅れていることを理由に、韓国からの自動車、医薬品、木材への関税を15%から25%に引き上げると発表した。この発表を受けて、韓国ウォンはやや弱含んで始まったが、思い付きのように出てくるトランプ大統領の圧力について、市場での反応は鈍くなっている。第2次トランプ政権発足後間もないころは、関税賦課の対象国の通貨が大きく売られる傾向だったが、ここ最近はトランプ政権が仕掛ける度に米国の信頼を失うドル売りになりつつある。
米国内では、ミネソタ州で移民税関捜査局(ICE)による一般人の2件目の殺害により、ICEや国土安全保障省(DHS)への批判が高まっている。「ICEバービー」と呼ばれるノームDHS長官の解任が要求されていることや、DHSの予算削減を認めない限りは民主党が今月末で失効するつなぎ予算に合意しない可能性もでてきている。歌手のケイティ・ペリーが「上院議員に働きかけて、ICEが追加の100億ドルの資金を受け取るのを阻止しよう」と呼びかけるなど、米国はICEの問題で持ち切りで、予算案が可決せず政府機関の一部閉鎖もあり得そうだ。
トランプ大統領をはじめ政府要人は、殺害された被害者に非があったような会見を繰り返していたが、様々な角度からの動画が報じられていることで、昨日は再びTACO化している。トランプ大統領が韓国に対しての課税を発表したのは、国内の問題を海外に圧力をかけて目を逸らさせようとしているとの声もあり、ICEの問題から国民の目をそらすために、新たな火種を生む可能性があるものの、海外への軍事圧力(イランへの攻撃やグリーンランドの領有など)や経済制裁などを仕掛けるリスクもありそうだ。
なお、昨日のロンドンフィキシングにかけてはドル売りが優勢になった。月末までまだ日にちはあるものの、本日もフィキシングを中心に特殊玉が出てくる可能性もあり、ニュース等がない場合でも市場を動意づけることもありそうだ。
・想定レンジ上限
ユーロドル:昨年9月17日高値1.1919ドル。その上は2021年6月以来ついていない節目の1.2000ドル。
・想定レンジ下限
ユーロドル:26日安値1.1834ドル。その下は日足一目均衡表・基準線と転換線が並ぶ1.1740ドル。
(松井)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
