◆ドル円、日本の財政悪化懸念から円売りは継続
◆ドル円、米国の信認低下によるドル売りが重し
◆ユーロドル、利上げへの地ならしが進む
予想レンジ
ドル円 157.00-161.00円
ユーロドル 1.1550-1.1950ドル
1月26日週の展望
ドル円は方向感が定まりづらいだろう。衆院解散総選挙に向けて各党が減税を訴えるなど財政悪化懸念は一段と高まっており、円先安観は根強い。一方で、総選挙を前に一段の円安は有権者に印象が悪いため、政府要人からの円安けん制発言が強化される可能性には注意したい。
来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)が27-28日に行われる。政策金利は3.50-75%での据え置きが大方の予想となっており、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見が注目される。ただ、市場では「パウエル議長が退任する5月まで利下げは行われない」との予想が高まってきており、議長が追加利下げに踏み込んだ発言をしない限りは為替相場の反応は限定的となりそうだ。
なお、ベッセント米財務長官によると、来週にも次期FRB議長が選出される可能性がある。現時点ではウォーシュ元FRB理事、ウォラーFRB理事、米ブラックロック幹部のリーダー氏の3名が有力候補。最有力候補だったハセット国家経済会議(NEC)委員長は現職に留まることが濃厚だ。
また、グリーンランド領有問題を巡ってはトランプ米大統領が欧州各国への2月1日からの追加関税を見送ったことで欧米間の地政学リスクはいったん後退した。ただ、ドルの買い戻しが小幅にとどまっている背景としては、トランプ大統領の言動が米国の信認を著しく低下させており、ドルを買い控える投資家が増えているとの見方がある。ダボスでの夕食会でラトニック米商務長官が登壇し、欧州を厳しく批判したことでラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が途中退席するなど、欧米関係の溝がより浮き彫りとなった印象だ。なお、グリーンランドに米国の主権的領土を設け軍事基地を建設することをデンマーク側が認める案が浮上しているとの報道が伝わっている。欧米双方が納得すれば領有問題が解決につながる可能性も見えてきそうだ。
ユーロドルは、欧米関係の悪化に伴うユーロ売りより米信認低下を意識したドル売りが優勢のため、下値は限られそうだ。ECBが年内にも利上げに転じる可能性が高まっていることも引き続き支え。なお、5月末に任期満了となるデギンドスECB副総裁(ハト派)の後任にブイチッチ・クロアチア中銀総裁(タカ派)が任命されたため、利上げへの地ならしが着実に進んでいる。
1月19日週の回顧
ドル円は下値が堅い。トランプ米大統領が欧州への追加関税を発表したことで週明けに157.43円まで下げたが、その後は円安とドル安に挟まれて158円を挟んで方向感を欠いた。ただ、週後半は日本株高で円売りが強まると158.89円まで買い戻された。
ユーロドルは底堅い。欧米関係悪化を懸念して週明け早朝に1.1573ドルまで下げたが、ドル売りが優勢になると1.1768ドルまで切り返した。(了)
(執筆:1月23日、9:30)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
