本日のロンドン為替市場では、中東やウクライナに関する地政学リスクやグリーンランドを巡る欧米対立に注視しながらの値動きとなりそうだ。また対ドルでは、アジア時間に伝わった「パウエルFRB議長への圧力」に関する報道についても、NY時間に向けて注意が必要だろう。なお欧州序盤にはデギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、終盤にはビルロワドガロー仏中銀総裁の講演が予定されている。
イランでは、3週目に入った反政府抗議デモが全土に広がっている。当局はデモを「テロリスト」と呼び、治安部隊による武力行使で強硬な弾圧を行い、デモ参加者の死者も増加していることが報じられている。そういったなか、トランプ米政権がイランへの軍事攻撃も辞さない構えを見せ、これに対してイラン側も反撃を警告した。報道を見る限り、事態収拾には程遠い状況だ。
ウクライナと戦争が続くロシアは先週後半、極超音速中距離弾道ミサイル「オレシニク」でウクライナ西部を攻撃した。ゼレンスキー・ウクライナ大統領によれば、欧州連合(EU)との国境(ポーランド、ルーマニア、ハンガリーなど)に近い場所に着弾したもよう。北大西洋条約機構(NATO)にも加盟しているEU諸国が被害を受ければ、和平プロセスの後退は避けられないだろう。
米政権が領有意欲を高めている「デンマーク領グリーンランド」周辺に、英独主導のもとでNATO部隊の派遣が検討されているもよう。トランプ米大統領が、同地域で中国とロシアの影響力が拡大していると訴えているためだ。しかしながら、この派遣でトランプ氏が納得しない場合、米国の強引な行動への懸念が高まりそうだ。なお、デンマーク政府は今週中にルビオ米国務長官とグリーンランドについて協議する予定。
米ニューヨークタイムズ紙は11日、「米連邦検察当局は米連邦準備理事会(FRB)本部改修を巡り、パウエル議長の捜査を開始」と報道。その後パウエルFRB議長は、昨年夏の議会証言に関しトランプ政権から刑事訴追すると警告され、召喚状がFRBに送られたことを明らかにした。パウエル議長は金利を巡り大統領と対立しており、同議長への政権側からの圧力が高まっている。
想定レンジ上限
・ユーロドル、6日高値1.1743ドル
・ユーロスイスフラン、昨年12月16日高値0.9368フラン
想定レンジ下限
・ユーロドル、200日移動平均線1.1578ドル
・ユーロスイスフラン、5日安値0.9270フランを割り込むと昨年11月18日安値0.9207フラン
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
