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【見通し】ロンドン為替見通し=円相場を意識した動き続く、円買い戻しも調整の範囲内か

本日のロンドン為替市場では、クリスマス休暇ムードが広がり始めた中、先週末に大きく変動した円相場を意識した取引となりそうだ。週明けのオセアニア市場では、ユーロ円が再びユーロ導入以来の高値を記録し、ポンド円も2008年8月以来の高値を更新した。経済指標は、7-9月期英国内総生産(GDP)と同四半期経常収支の改定値が発表される程度。他、リトアニア、クロアチア、スロバキアの中銀総裁の講演が予定されている。

 先週末の日銀金融イベントを経て、市場は円売り一色となった。植田日銀総裁の会見で、総裁が想定されていたほど利上げに前向きではないと受け止められたことが要因。日本株にとっては朗報であり、本日の日経平均は急騰している。ドル円やクロス円は持ち高調整の円買いに押されているものの、金融引き締めへの警戒感が緩んだこともあり、あくまでも「先週末の修正の域」を出ないのではないか。

 ただし、円安が急ピッチで進んだため、さすがに本邦金融当局も口先だけの円安けん制だけに終わらないかもしれない。ドル円が160円に近づくようであれば、当局が実弾の為替介入に踏み切る可能性も高まるだろう。なお東京朝には、日銀会合後の為替相場について三村財務官が、「一方向で急激な動き、憂慮している」「行き過ぎた動きには適切な対応取る」と述べていた。

 欧州序盤の7-9月期英GDP改定値は、前期比0.1%/前年比1.3%が予想値。どちらも前四半期から成長減速が見込まれている。改定値のためポンド相場へのインパクトは弱いだろうが、もし下振れとなれば英金利に低下圧力が強まり、ポンドは対ドルやユーロで伸び悩む場面がありそうだ。

 欧州前半には、シムカス・リトアニア中銀総裁とブイチッチ・クロアチア中銀総裁、後半にはカジミール・スロバキア中銀総裁が発言予定。来年に向けたインフレ動向や欧州中央銀行(ECB)の政策に関する見解を気にかけておきたい。

想定レンジ上限
・ユーロ円、 ピボット・レジスタンス1の185.58円
・ユーロドル、18日高値1.1763ドル

想定レンジ下限
・ユーロ円、日足一目均衡表・転換線183.23円
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.1648ドル


(小針)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ