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【見通し】ロンドン為替見通し=ポンド、秋季予算案後の底堅さが続くか 英債券の動向に依然注目

本日のロンドン為替市場でポンド相場は、昨日の英秋季予算案で「一定の安心感が広がった」ことを受けた底堅さが続くかに注目。ユーロ相場は当局者講演や経済指標を見極めながら、欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨を待つことになる。

 英予算責任局(OBR)は昨日、リーブス英財務相の演説後に明らかにすべき報告書を誤って議会演説前に発表してしまった。これを受けてポンド相場は乱高下するも、一巡後は上値を試す展開に。経済成長の見通しは下方修正されたが、増税により、今後4年間の予算計画における財政バッファー(財政規律を守りながら使える余裕資金)が約217億ポンドと、3月予測から倍以上に拡大したことが好感されたもよう。

 英10年債利回りは、OBRの先走った発表で一時4.54%台まで上昇したものの、リーブス演説を聞きながら低下(債券価格は上昇)。結局4.42%台で引け、4月につけた今年最も低い水準4.36%台が視野に入ってきた。ポンドも、対ドルで約1カ月ぶりの高値圏1.32ドル半ばまで上昇し、対円では207円前半と昨年7月以来の水準まで上げ幅を広げている。

 本日のポンド相場も、英債券市場の動向を眺めながらの取引か。償還期間が10年以上の超長期債も昨日は堅調(利回りは低下)だったところを見ると、英財政への過度な懸念は後退している。英議会では来週前半まで、リーブス英財務相に対する質疑応答が行われる。そのため安心はできないものの、今のところポンドの底堅さは続きそうだ。

 ほか本日は、ビルロワドガロー仏中銀総裁とデギンドスECB副総裁が講演予定。経済指標は、12月独消費者信頼感指数、11月ユーロ圏の消費者信頼感指数(確定値)や経済信頼感指数などの発表が予定されている。その後、21時30分に10月29-30日分のECB理事会議事要旨が公表予定。

想定レンジ上限
・ポンドドル、10月28日高値1.3370ドル
・ユーロドル、日足一目均衡表・雲の下限1.1665ドル

想定レンジ下限
・ポンドドル、昨日安値1.3125ドル
・ユーロドル、昨日安値1.1547ドル


(小針)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ