本日のNY為替市場のドル円は、為替・株式市場は通常取引だが、債券市場はベテランズデーで休場となるため、閑散取引の中でのトランプ米大統領の発言など突発的な材料には警戒しておきたい。
リスク回避要因だった米政府機関の閉鎖に関しては、下院が上院で可決されたつなぎ予算案を12日に審議する見通しとなっており、下院での可決を経て、トランプ大統領による署名で解消されることになる。感謝祭に向けて米政府機関が再開される可能性が高まりつつあり、ドル買い、株買いに繋がりつつある。
しかしながら、トランプ米政権にとってのマイナス要因としては、トランプ関税に対する連邦最高裁の口頭弁論で、保守派を含む複数の判事がトランプ関税政策の合憲性に疑義を呈していることや、来年の中間選挙の前哨戦であるニューヨーク市、南部バージニア州と東部ニュージャージー州で民主党候補が勝利したことなどが挙げられる。
連邦最高裁がトランプ関税を違憲と判断した場合、巨額の関税の払い戻しや関税合意の撤回などにより、大きな混乱が警戒されている。
さらに、トランプ米政権が目論んでいたトランプ関税による財政赤字や貿易赤字の削減の効果が期待できなくなるため、貿易赤字削減の「プランB」としてドル高抑制に軸足が移る可能性が高まることになる。
米財務省は昨年11月14日に「外国為替報告書」を公表しており、為替監視国に対する言及には警戒しておきたい。
6月に公表された「外国為替報告書」では、「日銀の金融引き締め政策は、日本経済の成長率やインフレ率を含むファンダメンタルズに応じて継続的に進められるべきで、これによりドルに対する円安の正常化や必要とされている両国貿易の構造的再均衡化を後押しすることになる」との言及していた。すなわち、日本銀行の追加利上げを通じて円安修正が進むことを、米国政府が期待していることを示すものであり、先日の日米財務相会談でのベッセント米財務長官による日銀への利上げを促す見解でもある。
三村財務官は、「主な懸念は為替の過度なボラティリティ、水準ではない」と述べていたが、神田前財務官と同様のボラティリティ重視ならば、ボリンジャー・バンド+2σの155.20円台がドル売り・円買い介入への警戒水準となる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、154.80円(2/12高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、153.32円(日足一目均衡表・転換線)
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
