NY時間の為替市場でドル円は、日経平均株価が一段高となる中で、ドル円も堅調地合いを維持しそうだ。ただ、明日に高市首相とトランプ米大統領の首脳会談が行われる予定で、事前の発言や報道などで神経質な動きになりそうだ。なお、片山財務相とベッセント米財務長官の財務相会談が今晩にも行われるとの話もあるが、現時点では定かではない。
明日行われる予定の日米首脳会談では、高市政権にとっては信頼関係の構築だけで、無風に終わることを望んでいるだろう。本日トランプ大統領からエアーフォースワンに搭乗前に安倍元首相の盟友でもあることで、高市氏について好感を示す発言も伝わっている。ただ、高市政権は支持率が6割を超えるなど、国民の支持を得ているが、避けることができないものは外圧、特に米国からの圧力になる。
第2次トランプ政権は第1次と比較しても、同盟国に対してもこれまで無理難題を押し付けてきている。関税や対露制裁、防衛費負担などで更に踏み混んでくる可能性がある。高市氏は前倒しでの防衛費増を対国内総生産(GDP)比で2%引き上げようとしているが、トランプ政権は5月末、日本を含めたアジアの同盟国に対し、防衛費を対GDP比5%に向け引き上げるよう要求している。更なる引き上げを強いてきた場合には、物価対策などが滞り積極財政路線にも影響を与えることになるだろう。
また、米国の為替報告書ではドル高是正のために日銀の金融政策引き締めの必要性を報告しているが、円安の流れが再び進行していることで、円安に歯止めをかけるような話し合いが行われる可能性もある。円安は米国にとって通商面でマイナスなだけでなく、円安による輸入物価上昇は日本にとってもデメリットは大きい。ただ、第2次トランプ政権発足後からドル高・円安是正について言及されるとのうわさは幾度も流れたが、その都度裏切られてきていることで、現実的に話が出るまでは過度に期待するのは難しいか。
なお、引き続き米国の政府機関閉鎖が継続されていることで、本日も米国からは主だった経済指標の発表は予定されていない。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、10日高値153.27円を上抜けると節目の154.00円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、24日安値152.30円。
(松井)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
